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[SSS07-P24] 余震域拡大速度は何に依存するか? 日本のマグニチュード7級地震の例
キーワード:地震活動、余震域、差応力
大地震後の余震域面積は、本震からの経過時間の対数に比例して拡大する傾向がある(e.g., Peng and Zhao, 2009; Ross et al., 2017)。しかし、どのような要因が余震域の拡大率を支配しているのかはよくわかっていない。そこで、本研究では、日本国内で発生した同程度の大きさの複数の本震について、余震域の拡大速度を比較した。
気象庁の地震カタログデータを用い、2000年以降のマグニチュード7.0-7.4の地震を本震とし、本震から100日以内に震源近傍で発生したマグニチュード3以上の地震を余震と定義した。余震域の拡大を評価するために、本震震源からの3次元的な距離を用いた。余震域の拡大を定量化するために、横軸を本震からの対数時間、縦軸を3次元距離としたグラフ上の「傾き」に注目した。この「傾き」をデータから自動的に推定した。具体的には、余震の発生する時間窓を分割し、外れ値を除去し、各時間窓の中で最も遠い点を決定し、その遠い点を対数時間で回帰する、というアルゴリズムを開発した。
その結果、余震域の拡大速度を表す「傾き」とGutenberg-Richter則のb値との間には強い負の相関があり、一方、「傾き」と本震の深さや大きさとの相関はないことがわかった。既存の経験的関係(Scholz, 2015)と合わせて、余震域の拡大速度から差応力を推測する新しい式を得ることができた。この式は、差応力が大きいほど余震域の拡大速度が大きいという点で力学的に合理的である。
気象庁の地震カタログデータを用い、2000年以降のマグニチュード7.0-7.4の地震を本震とし、本震から100日以内に震源近傍で発生したマグニチュード3以上の地震を余震と定義した。余震域の拡大を評価するために、本震震源からの3次元的な距離を用いた。余震域の拡大を定量化するために、横軸を本震からの対数時間、縦軸を3次元距離としたグラフ上の「傾き」に注目した。この「傾き」をデータから自動的に推定した。具体的には、余震の発生する時間窓を分割し、外れ値を除去し、各時間窓の中で最も遠い点を決定し、その遠い点を対数時間で回帰する、というアルゴリズムを開発した。
その結果、余震域の拡大速度を表す「傾き」とGutenberg-Richter則のb値との間には強い負の相関があり、一方、「傾き」と本震の深さや大きさとの相関はないことがわかった。既存の経験的関係(Scholz, 2015)と合わせて、余震域の拡大速度から差応力を推測する新しい式を得ることができた。この式は、差応力が大きいほど余震域の拡大速度が大きいという点で力学的に合理的である。