11:00 〜 13:00
[U09-P02] トンガ火山噴火に伴う潮位振動について
キーワード:潮位振動、プラウドマン共鳴、気圧変化
今年1月15日にトンガのフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の大規模噴火が発生し、それに伴う潮位振動(津波)が、国内をはじめ世界の各地で観測された。当初噴火に伴う津波は大きくなく国内に影響はないと考えられていたが、海洋長波の位相速度から予想される到達時刻より数時間早くから国内沿岸で潮位振動が発生し、奄美などでは1mという大きな振幅も観測された。国内の潮位振動発生頃に、小さいものの明瞭な気圧変化が各地で観測されていることから、この気圧変動との関連が着目され、プラウドマン共鳴による、いわゆるmeteotsunami(気象津波)の可能性も論じられた。
この潮位振動(津波)の基本的なメカニズムを理解するため、気圧変化の状況やプラウドマン共鳴の可能性について調べた。気圧変化の移動速度については、当初は音波も含む様々な値が言及されたが、太平洋にある海溝の水深から、プラウドマン共鳴が起きうる移動速度は、250~300m/s程度になる。また、潮位振動発生時刻から、取りうる移動速度もある程度限定される。
南太平洋や国内で観測された地上気圧変化の状況を見ると、気圧変化は大体この範囲の移動速度となっており、太平洋上でプラウドマン共鳴により潮位振動が作られたと考えられる。ラム波による気圧変化を模した外力で太平洋の数値計算を行ったところ、気圧変化の移動に伴う潮位振動が計算され、観測に近いタイミングで潮位振動が発生した。ただし、潮位振動の振幅については、観測された最大振幅よりもかなり過少であった。この最大振幅は、潮位振動発生時よりも遅れて発生しており、ラム波の気圧変化で直接作られたとは考えにくく、他の要因で大きくなった可能性がある。
この潮位振動(津波)の基本的なメカニズムを理解するため、気圧変化の状況やプラウドマン共鳴の可能性について調べた。気圧変化の移動速度については、当初は音波も含む様々な値が言及されたが、太平洋にある海溝の水深から、プラウドマン共鳴が起きうる移動速度は、250~300m/s程度になる。また、潮位振動発生時刻から、取りうる移動速度もある程度限定される。
南太平洋や国内で観測された地上気圧変化の状況を見ると、気圧変化は大体この範囲の移動速度となっており、太平洋上でプラウドマン共鳴により潮位振動が作られたと考えられる。ラム波による気圧変化を模した外力で太平洋の数値計算を行ったところ、気圧変化の移動に伴う潮位振動が計算され、観測に近いタイミングで潮位振動が発生した。ただし、潮位振動の振幅については、観測された最大振幅よりもかなり過少であった。この最大振幅は、潮位振動発生時よりも遅れて発生しており、ラム波の気圧変化で直接作られたとは考えにくく、他の要因で大きくなった可能性がある。