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[U09-P13] 摂動法と時間領域差分法(FDTD法)を用いた2022年トンガ海底火山噴火に伴う気圧波と津波の数値実験.
キーワード:津波、火山、気圧波、数値シミュレーション、FDTD法
2022年1月15日のトンガ火山の爆発に伴って,日本沿岸では検潮記録で1mを超える津波が観測された.この津波は,爆発的な噴火に伴って地球規模の気圧波が発生し,大洋との共鳴現象(プラウドマン効果)によって発生した津波と解釈されている.この気圧波は,伝搬速度からラム波と思われる.しかし,この海域では津波の伝播速度がラム波より遅いため,完全な共鳴は成立しない.ただし,ラム波通過時の気圧増加によって,同様のパルス的な津波は発生するため,S-netの様な沖合設置型津波計では明確に観測されている.ところが,ラム波によるパルス的津波に続いて,より振幅の大きな津波の群が伝播してきており,最大の津波高となったのは後続する津波であった.現在,この後続津波の成因は説明されていない.もし,ラム波より遅い伝搬速度を持ち,津波と強く共鳴するモードの気圧波が存在していたなら,津波の後続最大波は説明可能だが,現在のところ気圧観測結果には見当たらない.そこで我々は,数値実験から強い共鳴を起こした気圧波を捜す試みを行った.物理的大気の安定状態を基本場として,火山爆発による気圧波を摂動と扱って線形波動方程式化し,時間領域差分法(FDTD法)によってトンガ火山から日本までの気圧波伝搬を数値計算によって求めた.また,その結果から同経路で励起される津波の伝播を求めた.本発表では,その結果を報告する.