日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-09] 気象津波の発生を伴ったトンガ海底火山噴火

2022年5月30日(月) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (40) (Ch.40)

コンビーナ:日比谷 紀之(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、コンビーナ:前野 深(東京大学地震研究所)、コンビーナ:中島 健介(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、コンビーナ:田村 芳彦(海洋研究開発機構 海域地震火山部門)、座長:日比谷 紀之(東京海洋大学 海洋環境科学部門)、前野 深(東京大学地震研究所)、中島 健介(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、田村 芳彦(海洋研究開発機構 海域地震火山部門)

11:00 〜 13:00

[U09-P19] Global simulation of SO2 and sulfate aerosol from the Hunga-Tonga eruption: Potential impacts on atmospheric chemistry and climate

*須藤 健悟1,2関谷 高志2 (1.名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻、2.海洋研究開発機構)

キーワード:火山噴火、SO2、気候変動、化学気候モデル

2022年1月15日に噴火したトンガ海底火山(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai)では、その噴煙が高度30kmまで到達している様子が衛星観測で確認されており、噴火の規模としては同様に成層圏中層高度にまで噴煙注入が確認された1991年ピナツボ火山(インドネシア)の噴火に匹敵する可能性がある。ただし、成層圏内に注入された二酸化硫黄(SO2)の総量としては、トンガ海底火山噴火では、衛星観測(Auro/OMI)により0.5 Tg 程度と、ピナツボ火山噴火(~17 Tg)の1/20以下の値が見積もられている。このため、今回のトンガ噴火については、長期にわたるオゾン層や気候への影響は限定的なものになることが暫定的に予想されている。本研究では、トンガ海底火山噴火により成層圏に注入されたSO2とこのSO2の硫酸塩エアロゾル(sulfate)への変換について、全球化学気候モデルCHASER(MIROC)を用いた再現・予測シミュレーション(2022~2025年)を行い、今回の火山噴火が及ぼし得る気候やオゾン層へのインパクトの予見を試みた。現状のシミュレーション結果では、とくに2023年に0.5~1.0 W/m2程度の比較的大きな負の放射強制力(長波・短波合計:全球平均)が発生し、地上気温の寒冷化(-0.2℃程度)が計算され、南半球・南極域では、6DU程度のオゾン全量減少につながる可能性も示唆された。ただし、このような予測結果は、噴煙・SO2の注入高度等の実験設定にも大きく依存するため、さらなる感度実験が必要である。