[U-09] 気象津波の発生を伴ったトンガ海底火山噴火

[U09-P24] 静止気象衛星の視差を利用したトンガ噴煙高度の推定

*山崎 一哉¹、塚田 大河² (1.東京大学大学院理学系研究科、2.北海道大学大学院環境科学院)

キーワード：噴煙高度、気象衛星、視差

2つの静止気象衛星からの視差を利用して、2022年1月15日にHunga Tonga–Hunga Haʻapaiで発生した大規模噴火の噴煙高度を推定した。利用した衛星は日本のひまわり8号と米国のGOES-17である。これらの衛星はトンガ周辺を大きく異なった角度から撮像しているため、高高度にある噴煙は両衛星画像上で大きな視差が生じる。手動・自動推定を組み合わせてこの視差を測定することで、噴煙頂の高度を10分間隔で面的に推定した。その結果、噴煙の笠雲は高度35〜40kmに達し、3時間かけて高度30km程度まで下降したことが明らかになった。さらに、平衡高度を超えてオーバーシュートした部分は、一時的に下部中間圏にあたる高度56km前後に達していた。手動解析で高度を推定するWebツールを https://weather-models.info/news/20220115HungaTonga/parallax/ に一般公開済みである。この手法を応用し、噴煙の力学的シミュレーション等と組み合わせることで、噴出率等の諸元の絞り込み、ひいては噴火メカニズムの理解の深化に寄与することが期待される。