日本地球惑星科学連合2023年大会

出展者情報

総合地球環境学研究所

総合地球環境学研究所

総合地球環境学研究所 関係者スケジュール(pdf)

 
地球環境問題の根源は 人間文化の問題にある
総合地球環境学研究所(地球研)は、2001年に京都府京都市に創設されました。 地球環境問題を「人間(Humanity)」と「自然(Nature)」の関係はどうあるべきか、という 広い意味での人間文化の問題として、根本からとらえ直そうとしています。 そして、未来の人々も快適に住み続けることができるよう、平等かつ公平な地球社会の実現を⽬指します。
 
地球研の特色
・「超学際」アプローチ
地球研では、自然科学、人文社会科学など分野を問わず多様な研究者が一堂に会して学際的な研究を進めています。研究室は扉のない全長150mの大空間になっており、既存の学問分野や領域を超えた研究者同士の連携が、日常的におこなわれています。 さらに、地方自治体との学術協定の締結など、研究者だけでなく企業や行政、地域の方々など様々なステークホルダーと協働して課題解決につなげる「超学際研究」を進めています。

・実験施設
地球研には18の実験室があり、地球研が実施している研究プロジェクトや同位体環境学共同研究に関係する国内外の研究者が利用することで、地球環境問題の解決をめざした研究をおこなっています。 各実験室には、個々の大学では整備・運営が困難な最先端の大型装置などの実験設備を配備し、研究や実験手法の開発、貴重な学術データなどの研究資源を収集・活用しています。共通機器の利用については、実験施設ウェブサイトをご覧ください。
 
共同利用
2004年に地球研は、⼤学共同利⽤機関法⼈ ⼈間⽂化研究機構の⼀員となりました。共同利用の機能を充実させ、地球研の研究活動に参画する国内外の研究者が効果的に先端的な共同研究ができる環境を提供しています。 研究者は「プログラムープロジェクト制」や「同位体環境学共同研究事業」への参画を通して共同利用設備を使用することができます。

【プログラムープロジェクト制】
地球環境問題にかかわる優先的に取り組むべき重要な課題を「プログラム」として定めています。研究プロジェクトは実践プログラムか戦略プログラムのいずれかに属し、プログラムの課題にそって具体的な問題に取り組んでいます。

■ 実践プログラム
地球環境問題の具体的な課題に、社会における協働実践を通じて取り組みます。

・環境文化創成プログラム
Global Environmental Culture
プログラムディレクター:松田 素二
地球環境問題の解決のために、先進的な科学技術に頼るだけでなく、科学と文化の接合を通して新しい価値観と生き方の創造に取り組みます。

所属プロジェクト (2023年4月 現在)
▶︎ グローバルサプライチェーンを通じた都市、企業、家庭の環境影響評価に関する研究
▶︎ 高負荷環境汚染問題に対処する持続可能な地域イノベーションの共創


・土地利用革新のための知の集約プログラム
Combining Knowledge for a Fundamental Innovation of Land Use
プログラムディレクター:荘林 幹太郎
社会経済活動や土地利用の変化が及ぼす地球環境への影響を緩和したり、そうした影響に適応したりするため、学際的、超学際的な方法で土地利用を根本的に改革する方法を模索します。

所属プロジェクト (2023年4月 現在)
▶︎ 社会生態システム転換における衡平性:熱帯森林フロンティアの政治・権力・不確実性


・地球人間システムの共創プログラム
Co-creation of the Earth-human System
プログラムディレクター:谷口 真人
複雑に絡み合う地球環境問題を解決するために、人と社会、自然との連環を明らかにし、ステークホルダーとの共創を通じて未来社会のあり方を追求します。

所属プロジェクト (2023年4月 現在)
▶︎ 大気浄化、公衆衛生および持続可能な農業を目指す学際研究:北インドの藁焼きの事例
▶︎ 陸と海をつなぐ水循環を軸としたマルチリソースの順応的ガバナンス:サンゴ礁島嶼系での展開
▶︎ 人・社会・自然をつないでめぐる窒素の持続可能な利用に向けて


■ 戦略プログラム
実践プロジェクトと連携し、社会との協働による地球環境問題解決のための、真に有効な方法論の確立をめざします。
プログラムディレクター:谷口 真人

所属プロジェクト (2023年4月 現在)
▶︎ フューチャー・デザインを通じた持続可能社会実現のための未来ビジョンの形成と多元的共存


【同位体環境学共同研究事業】
地球環境に関する研究においては、水・大気・生物・土壌など生態系を構成する種々の要素や人間の活動とその歴史など、あらゆる人間と自然の相互作用環のなかに、元素の安定同位体比という「指紋」が内在しています。 地球研では、この安定同位体比の分析を軸とした研究を「同位体環境学」と呼び、全国の研究者との共同研究を2012年度より進めています。多様な環境物質と多くの元素について、この指紋情報を得ることができる実験機器を整備してきました。単なる「機器の共同利用」ではなく、「研究方法」や「研究成果の活用方法」も共有する共同研究をめざしています。