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[AAS03-P09] マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダーを用いた ダウンバーストを発生させる積乱雲の力学的構造の解析
キーワード:フェーズドアレイ気象レーダー、ダウンバースト
このレポートは埼玉大学に設置されたマルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダーによるダウンバーストの観測結果から積乱雲内の前兆の様子と、発生メカニズムの検証を行った結果を述べたものである.2018年8月27日に東京都練馬区から杉並区にかけてダウンバーストの被害報告があった.ダウンバースト発生上空では前兆ともいえる3つの変化が見られた(1)19時35分に5㎞より上空にあった降水コアが19時40分にかけて降下していた,(2)高度4㎞においてエコーのくぼみが深まっていた,(3)高度4㎞~3㎞で強い収束領域が時間とともに増加していた.さらにこれらのくぼみや収束領域に対応するように渦対が存在しており,渦対をまたぐように下降流が分布していた.これらの結果から水平渦が下降気流によって立ち上がり,渦対を形成しDBの発生に寄与した可能性が示唆された.