15:30 〜 17:00
[AAS06-P05] 積乱雲スケールの予測精度向上にむけた水蒸気/気温ラマンライダーの同化手法の開発
キーワード:気温・水蒸気ライダー、積乱雲スケールでのデータ同化
積乱雲や線状降水帯の予測精度向上において、低高度の水蒸気量のデータ同化が
重要であると知られている(Yoshida et al., 2022 MWR).一方、豪雨前の大気下層の
相対湿度場はほぼ飽和状態になっていることがあり(Takemi and Unuma, 2020 SOLA,
Tsuji et al., 2021 GRL)、気温を修正しない場合、水蒸気の加湿が難しい可能性も高い。
近年のアンサンブルカルマンフィルターを用いた動的な背景誤差情報を用いた同化手法
(例えば、LETKF, Yoshida et al., 2022)であれば、アンサンブルメンバの中にアンサンブル
平均から見て高温偏差と水蒸気偏差が共に正で、かつ十分に相関が高ければ、水蒸気の
同化のみで気温の修正も可能となるため、飽和の制約を受けずに同化できる可能性もある。
しかし、こうした条件が観測点で付近で常に満たされる保証はない。そこで、気温と水蒸気を同時に
測定することができる、英弘精機社製の「水蒸気/気温ライダー」を用いたデータ同化
手法を開発し、最初に気温の同化を行うことで、飽和条件の制約を受けることなく、
豪雨発生前の水蒸気量を正しく同化することを可能とした。疑似観測データを
用いた予備実験において、気温と水蒸気が背景場よりも高い場合に、順次同化することで
それぞれ観測値に近い解析値を得ることが確認された。現在、実観測データを用いた
同化実験も進めており、発表では実データ実験の結果も報告する予定である。
こうしたデータ同化手法の開発により、積乱雲や線状降水帯の予測精度向上に貢献していく。
重要であると知られている(Yoshida et al., 2022 MWR).一方、豪雨前の大気下層の
相対湿度場はほぼ飽和状態になっていることがあり(Takemi and Unuma, 2020 SOLA,
Tsuji et al., 2021 GRL)、気温を修正しない場合、水蒸気の加湿が難しい可能性も高い。
近年のアンサンブルカルマンフィルターを用いた動的な背景誤差情報を用いた同化手法
(例えば、LETKF, Yoshida et al., 2022)であれば、アンサンブルメンバの中にアンサンブル
平均から見て高温偏差と水蒸気偏差が共に正で、かつ十分に相関が高ければ、水蒸気の
同化のみで気温の修正も可能となるため、飽和の制約を受けずに同化できる可能性もある。
しかし、こうした条件が観測点で付近で常に満たされる保証はない。そこで、気温と水蒸気を同時に
測定することができる、英弘精機社製の「水蒸気/気温ライダー」を用いたデータ同化
手法を開発し、最初に気温の同化を行うことで、飽和条件の制約を受けることなく、
豪雨発生前の水蒸気量を正しく同化することを可能とした。疑似観測データを
用いた予備実験において、気温と水蒸気が背景場よりも高い場合に、順次同化することで
それぞれ観測値に近い解析値を得ることが確認された。現在、実観測データを用いた
同化実験も進めており、発表では実データ実験の結果も報告する予定である。
こうしたデータ同化手法の開発により、積乱雲や線状降水帯の予測精度向上に貢献していく。