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[AAS07-08] CALIPSO観測データに基づく2011年と2020年の北極上空PSC出現状況の違いとオゾン破壊の関係
キーワード:オゾン破壊、極成層圏雲、PSC、北極、極渦、CALIPSO
南極上空ではほぼ毎年春先に大規模な成層圏オゾン破壊が進んでいるが、北極上空では成層圏が低温で経過した年にのみオゾン破壊が進行する。最近では、1997年、2011年、2020年に北極上空で大規模なオゾン破壊が起きた。中でも2011年と2020年のオゾン破壊は史上最大規模で、南極でのオゾン破壊に相当する規模でのオゾン破壊が観測された。人工衛星CALIPSOは2006年に打ち上げられ、現在でも全球的な雲の分布を2波長ライダーで観測している。両極上空では、オゾン破壊の引き金を引く極成層圏雲(PSC)の分布とそのタイプを観測している。今回の解析では、CALIPSOのPSCプロダクトを解析し、2011年と2020年の北極上空のPSCの分布の特徴と、それがオゾン破壊に及ぼす影響について解析した。図1に、2011年1月4日北極上空グリーンランド風下域でのCALIPSO軌道に沿ったPSCの分布とそのタイプを示す。山岳派に伴うWaveタイプIce PSCが観測されていることが判る。
今回の解析では、2011年と2020年について、1月から3月に北極上空で観測されたPSCの分布とその組成を、高度20 km、17.5 km、15 kmについて各衛星軌道(1日最大15軌道)について調べた。またその時の気温と、Aura/MLSによって観測された硝酸濃度についても調べ、PSCの生成温度と脱窒との関係についても調べた。その結果、1月と2月に関しては両年のPSCの出現状況に大きな違いは見られなかったが、3月に関しては2011年に比べ2020年の方が低温で推移し、PSCの出現が多かったことが判明した。太陽日射が戻ってきた3月中旬から北極上空でオゾン破壊が進行し、2020年は史上最大の北極上空でのオゾン破壊が起こったことが示唆された。その原因としては、2020年の北極上空の極渦が3月に入っても強かったことが考えられる。
今回の解析では、2011年と2020年について、1月から3月に北極上空で観測されたPSCの分布とその組成を、高度20 km、17.5 km、15 kmについて各衛星軌道(1日最大15軌道)について調べた。またその時の気温と、Aura/MLSによって観測された硝酸濃度についても調べ、PSCの生成温度と脱窒との関係についても調べた。その結果、1月と2月に関しては両年のPSCの出現状況に大きな違いは見られなかったが、3月に関しては2011年に比べ2020年の方が低温で推移し、PSCの出現が多かったことが判明した。太陽日射が戻ってきた3月中旬から北極上空でオゾン破壊が進行し、2020年は史上最大の北極上空でのオゾン破壊が起こったことが示唆された。その原因としては、2020年の北極上空の極渦が3月に入っても強かったことが考えられる。