日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS07] 大気化学

2023年5月23日(火) 09:00 〜 10:30 オンラインポスターZoom会場 (3) (オンラインポスター)

コンビーナ:坂本 陽介(京都大学大学院地球環境学堂)、内田 里沙(一般財団法人 日本自動車研究所)、石戸谷 重之(産業技術総合研究所)、岩本 洋子(広島大学大学院統合生命科学研究科)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/22 17:15-18:45)

09:00 〜 10:30

[AAS07-P15] 能登半島における海洋起源エアロゾル粒径分布の季節変化

*松本 彩乃1、鬼塚 大史1、古内 正美2、畑 光彦2猪股 弥生3、佐々木 尚人1、渡辺 幸一4松木 篤3 (1.金沢大学大学院自然科学研究科、2.金沢大学理工研究域地球社会基盤学系、3.金沢大学環日本海域環境研究センター、4.富山県立大学工学部)


海洋起源エアロゾル(Sea spray aerosol)(以下SSA)は自然界で最も多い割合を占めるエアロゾルである。この近年サブミクロンサイズのSSAの存在が確認されており、重要なCCNの発生源として注目されている。
本研究では能登半島の先端に位置するNOTOGRO(NOTO Ground-based Research Observatory)でSSAの粒径が季節変化によってどのような挙動をするかについて調査した。100 nm以下の粒子を分級できるサンプラーを用いて、2014年7月から2015年6月までの約1年間、1週間ごとに粒子の分級捕集を行った。捕集後はイオンクロマトグラフィーでNa、Cl濃度を含む水溶性無機成分について分析を行った。
その結果、2.5 µm以上の粒子と100 nm以下の粒子に占めるSSAの季節変化が大きく異なることが分かった。2.5 µm以上の粒子では特に台風が通過した期間のSSA濃度が上昇した。一方、100 nm以下の粒径では台風との明確な関連は見られず、むしろ、2/25-3/18にSSA濃度が上昇した。この期間の海水温と比較を行ったところ濃度が上昇した期間の海水温が1年で一番低くなっており、能登半島沿岸域における微小なSSAの発生との海象との関連性が示唆される。