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[AAS07-P16] 都市・遠隔地における大気微小粒子中の超微小粒子と人為発生源の寄与
キーワード:PM2.5、サイズ分級捕集、遠隔地、都市壹岐
大気微小粒子(エアロゾル)は、呼吸により体内に取り込まれ、外因性微粒子としてアレルギー喘息や肺がん等の様々な疾患の発症や憎悪を引き起こすといわれている。しかし、大気微小粒子の化学組成や粒径は、その発生量の変動や大気中における物理化学反応を受けるなど、大気環境により時々刻々変化すること、さらに疾患発症を引き起こす成分やそのメカニズムについて不明な点が多い。本研究では、実大気微粒子を分級捕集し、特に微小粒子の粒子径ごとの化学組成を解析した。
大気微小粒子は、大気環境の大きく異なる福江(長崎県、遠隔地;2022年4,5月)と川崎(神奈川県、工業地帯;2022年5月)においてPM2.5及び6分画(PM>10, PM2.5-10, PM1-2.5, PM0.5-1, PM<0.1)の分級捕集を行った。分級捕集微粒子の水溶性イオン成分はイオンクロマトグラフィーを用い、また微粒子中の金属成分(酸分解・水溶性金属元素)はICP質量分析法を用いてそれぞれ定量分析した。
金属元素は、特にPM2.5-10の粒径に多く存在していた。金属元素としては、特に鉄とアルミニウムが大気中に多く含まれ、また人為起源と考えられるクロム、マンガン、ニッケル、銅、亜鉛、鉛なども検出された。特に人の体内に取り込まれる水溶性金属の主要元素はFe・Al・Zn・Mnであった。酸分解・水溶性金属元素共に、いずれの粒径についても川崎の方が福江よりも2.7-8.8倍高濃度であった。粗大粒子中の金属元素は、鉱物など越境輸送起源の寄与が大きく、微小粒径側とくに100nm以下の超微小粒子中の金属元素は人為的活動によって国内発生源から排出された寄与が大きいものと考えられた。
大気微小粒子は、大気環境の大きく異なる福江(長崎県、遠隔地;2022年4,5月)と川崎(神奈川県、工業地帯;2022年5月)においてPM2.5及び6分画(PM>10, PM2.5-10, PM1-2.5, PM0.5-1, PM<0.1)の分級捕集を行った。分級捕集微粒子の水溶性イオン成分はイオンクロマトグラフィーを用い、また微粒子中の金属成分(酸分解・水溶性金属元素)はICP質量分析法を用いてそれぞれ定量分析した。
金属元素は、特にPM2.5-10の粒径に多く存在していた。金属元素としては、特に鉄とアルミニウムが大気中に多く含まれ、また人為起源と考えられるクロム、マンガン、ニッケル、銅、亜鉛、鉛なども検出された。特に人の体内に取り込まれる水溶性金属の主要元素はFe・Al・Zn・Mnであった。酸分解・水溶性金属元素共に、いずれの粒径についても川崎の方が福江よりも2.7-8.8倍高濃度であった。粗大粒子中の金属元素は、鉱物など越境輸送起源の寄与が大きく、微小粒径側とくに100nm以下の超微小粒子中の金属元素は人為的活動によって国内発生源から排出された寄与が大きいものと考えられた。