日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS08] 高性能計算で拓く気象・気候・環境科学

2023年5月22日(月) 13:45 〜 15:15 オンラインポスターZoom会場 (1) (オンラインポスター)

コンビーナ:八代 尚(国立研究開発法人国立環境研究所)、宮川 知己(東京大学 大気海洋研究所)、小玉 知央(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、大塚 成徳(国立研究開発法人理化学研究所計算科学研究センター)


現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

13:45 〜 15:15

[AAS08-P04] h3-Open-UTIL/MPカプラを用いたNICAMアンサンブル連成計算

*荒川 隆1,3八代 尚2、中島 研吾3 (1.株式会社 CliMTech、2.国立環境研究所、3.東京大学)

キーワード:大気モデル、アンサンブルシミュレーション、連成シミュレーション

気象現象は非線形性が強く、初期値などのわずかな違いが結果に大きく影響をおよぼす。そのため、個々のシミュレーションが不可避的に内在する不確実性を低減し、あるいは不確実性の程度を定量的に評価するためにもアンサンブル計算は一般的な手法である。また、複数のモデルコンポーネントで情報交換を行いながらシミュレーションを進める結合計算も気象気候分野ではごく一般的に用いられている計算手法である。
大気モデルNICAMはアンサンブル計算を行うための仕組みが整えられているほか、海洋モデルCOCOや解像度の異なる2つのNICAMを結合する仕組みが実装されている。そこで本研究では、複数の低解像度NICAMを同時に実行し高解像度NICAMと結合するアンサンブル結合を実施した。結合に用いたのは汎用カプラh3-Open-UTIL/MPである。h3-Open-UTIL/MPはh3-Open-BDECプロジェクトの一環として開発されており、初期段階からアンサンブル結合を主要機能の一つとして設計・開発されてきた。実行形態としては複数のアンサンブル実行を一つのモデルと結合する多対一結合と、複数の結合モデルをアンサンブル実行する多対多結合の2つの方法が可能である。先述のように本研究では多対一結合を実施した。この結合方法では、多側のデータは平均化されて一側に送られる。一方、一側から送られたデータはそのまま多側に分配されるようになっている。
本発表では、アンサンブル結合を実現しているソフトウェアの詳細について説明するとともに計算性能についても言及する。