日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG30] 中緯度大気海洋相互作用

2023年5月21日(日) 15:30 〜 16:45 201A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:関澤 偲温(東京大学先端科学技術研究センター)、桂 将太(東京大学大気海洋研究所)、安藤 雄太(九州大学)、木戸 晶一郎(海洋開発研究機構 付加価値創生部門 アプリケーションラボ)、座長:関澤 偲温(東京大学先端科学技術研究センター)、木戸 晶一郎(海洋開発研究機構 付加価値創生部門 アプリケーションラボ)


16:00 〜 16:15

[ACG30-13] HighResMIPで得られた梅雨降水帯の将来変化

*小木 夏海1佐々木 克徳1 (1.北海道大学理学院)

キーワード:梅雨、HighResMIP、将来変化

6月から7月中旬にかけて、梅雨降水帯とよばれる帯状に細長い降水帯が中国中部から日本にかかる。近年、地球温暖化に伴う気候変動が注目され、この梅雨降水帯の将来変化を明らかにすることは重要である。しかし、将来変化予測には気候モデルを用いる場合が多く、将来予測の結果はどの気候モデルを使用するかや、その気候モデルの解像度に影響される。本研究ではHighResMIPに参加した9つの高解像度大気海洋結合モデルを低解像度と高解像度で比較することで、複数モデル間での空間解像度依存性を検証し、6月の梅雨降水帯の将来変化(2021-2050年から1971-2000年を引いた値で定義)を調べた。過去の降水量では気候モデルや空間解像度間での大きな違いは見られなかったが、将来降水量変化では、低解像度では東シナ海で降水量が増加し、高解像度では減少するなど解像度間での違いが見られた。9モデル中6モデルが九州と東シナ海の領域で降水量が増加することを示した。また90パーセンタイル値を用いて最大降水量の将来変化を調べた結果はモデル間で異なる様子が見られ、海洋の空間解像度が25kmと高いHadGEM-GC31では西日本や黒潮上で特に大きな値を示した。