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[ACG30-P22] 夏の北海道南東方沖における下層雲の気象庁メソモデルでの再現性と予測精度
2022年7月に「変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot」プロジェクトによる北海道南東方沖での下層雲の航空機・船舶同時観測が実施された。この観測において,我々は気象庁メソモデル(MSM)の予報に基づく気象情報を観測チームに提供する支援を行った。本発表では,MSMにおける北海道南東方沖での夏季下層雲の再現性や予測精度に関して,この観測支援をきっかけに行った検証結果を示す。
MSMにおいて,前日から予報される下層雲量は,解析値として診断される下層雲量とよく対応し,見かけ上は高い予測精度を示す。ところが,MODIS衛星観測データの下層雲量と比較すると,モデルと衛星観測との間には大きなバイアスやバラつきがみられた。このバイアスやバラつきについて風向や温度移流との関係を調べたところ,北~東風(寒気移流)の場でMSMが下層雲量を過小評価する傾向にあることや,南~西風(暖気移流)の場でMSMと衛星観測との間のバラつきが大きい傾向にあることが明らかとなった。
MSMにおいて,前日から予報される下層雲量は,解析値として診断される下層雲量とよく対応し,見かけ上は高い予測精度を示す。ところが,MODIS衛星観測データの下層雲量と比較すると,モデルと衛星観測との間には大きなバイアスやバラつきがみられた。このバイアスやバラつきについて風向や温度移流との関係を調べたところ,北~東風(寒気移流)の場でMSMが下層雲量を過小評価する傾向にあることや,南~西風(暖気移流)の場でMSMと衛星観測との間のバラつきが大きい傾向にあることが明らかとなった。