11:45 〜 12:00
[ACG34-10] 経済影響評価の気候予測関連不確実性の低減
キーワード:気候変動、不確実性低減、影響評価
IPCCの最新報告書では、CMIP6のマルチ気候モデルの世界平均気温変化予測の範囲をそのまま使うのではなく、観測データとの比較などから制約した範囲(assessed warming)を示している。これは、多数のCMIP6気候モデルが気温変化を過大評価していることが分かったためである。一方、この新知見を影響評価の不確実性の低減に結びつける指針は示されていない。
本研究において我々は、世界の気候変動経済評価の気候予測関連不確実性は低減可能であることを明らかにした。まず影響エミュレーターと67の気候モデルの気候変動将来予測データを用いて、9つのセクターにおける世界の経済的影響を推定した。その結果を分析することで、8つのセクターの影響が近過去の世界平均気温のトレンドと良い相関を持つことを発見した。観測データとの比較に基づく制約により、経済影響の不確実性幅の上限をGDPの2.9%から2.5%に引き下げ、分散を31%削減することができた。
本研究において我々は、世界の気候変動経済評価の気候予測関連不確実性は低減可能であることを明らかにした。まず影響エミュレーターと67の気候モデルの気候変動将来予測データを用いて、9つのセクターにおける世界の経済的影響を推定した。その結果を分析することで、8つのセクターの影響が近過去の世界平均気温のトレンドと良い相関を持つことを発見した。観測データとの比較に基づく制約により、経済影響の不確実性幅の上限をGDPの2.9%から2.5%に引き下げ、分散を31%削減することができた。