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[ACG42-P10] 日本におけるRUSLEモデルと土砂流出率を用いた土砂生産量推定モデルの構築
キーワード:土砂生産量、RUSLE、土砂流出率、将来予測
河床変動など,流砂系全体の様々な要因から発生する問題は,その領域のみでの対策により解決するのは困難であり,流砂系の総合的な土砂管理が求められている.流域の土砂動態の実態を把握する上で,上流域で崩壊し河川に流入する土砂量(土砂生産量)を定量的に把握することは極めて重要である.本研究では,我が国の上流域における土砂生産量を定量的に評価するモデルを構築し,日本全域での土砂生産量の将来予測を行うことを目的とする.
土砂生産量推定モデルには,土壌侵食モデルRUSLEと土砂流出率SDRを組み合わせた手法を用いる.土砂崩壊量SEをRUSLEモデルで算出しSDR式と組み合わせることで,日本の河川流域における土砂生産量SYを算出する.SDR式には,流域面積を変数にもつ式形を採用し,式中の経験パラメータα,βを新たに決定する.RUSLEモデルを用いて求めた土砂崩壊量SEと,実測の年平均ダム堆砂量を用いて求めた土砂生産量SYの比をとることで,各上流端ダム流域におけるSDR値をそれぞれ算出する.流域面積とSDR値の関係からSDR式の経験パラメータα,βを決定する.日本全国の一級河川における64の上流端ダム流域を対象とし,2006~2019年までを解析対象期間とした.河床変動モデルへの導入を見据え,土砂生産量SYは,上流端ダムにおける年平均堆砂量を捕捉率Eで割ることでダムへの流入土砂量とみなした.結果として,捕捉率を考慮した場合,α=0.157,β=-0.238が得られた.
d4PDF領域実験による将来降雨の予測結果を用いて,各上流端ダム流域における土砂生産量の将来予測を行った.データには,4℃昇温実験の2051~2070年と2091~2110年,および過去実験の1991~2010年の1時間降水量データを用いた.算出した将来の土砂生産量SYは,1991~2010年と比較して2051~2070年では1.17倍程度,2091~2110年では1.25倍程度の増加を示した.
土砂生産量推定モデルには,土壌侵食モデルRUSLEと土砂流出率SDRを組み合わせた手法を用いる.土砂崩壊量SEをRUSLEモデルで算出しSDR式と組み合わせることで,日本の河川流域における土砂生産量SYを算出する.SDR式には,流域面積を変数にもつ式形を採用し,式中の経験パラメータα,βを新たに決定する.RUSLEモデルを用いて求めた土砂崩壊量SEと,実測の年平均ダム堆砂量を用いて求めた土砂生産量SYの比をとることで,各上流端ダム流域におけるSDR値をそれぞれ算出する.流域面積とSDR値の関係からSDR式の経験パラメータα,βを決定する.日本全国の一級河川における64の上流端ダム流域を対象とし,2006~2019年までを解析対象期間とした.河床変動モデルへの導入を見据え,土砂生産量SYは,上流端ダムにおける年平均堆砂量を捕捉率Eで割ることでダムへの流入土砂量とみなした.結果として,捕捉率を考慮した場合,α=0.157,β=-0.238が得られた.
d4PDF領域実験による将来降雨の予測結果を用いて,各上流端ダム流域における土砂生産量の将来予測を行った.データには,4℃昇温実験の2051~2070年と2091~2110年,および過去実験の1991~2010年の1時間降水量データを用いた.算出した将来の土砂生産量SYは,1991~2010年と比較して2051~2070年では1.17倍程度,2091~2110年では1.25倍程度の増加を示した.