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[ACG42-P11] 地球温暖化が影響する霞ヶ浦における混合状態と貧酸素水塊
キーワード:成層、貧酸素水塊、気候変動
近年の気候変動による地球温暖化は,湖沼の循環や生態系に大きな影響を及ぼしている.特に夏期には,気温の上昇により成層状態が強化され,底部境界層で貧酸素が発生する. また霞ヶ浦では,強風により表層付近で湧昇した貧酸素水塊が動植物の酸欠死を引き起こし,漁業や養殖業に大きなダメージを与えることが報告されている.これらの水圏環境問題を解決するためには,地球温暖化の影響を調べることが重要である.本研究では,霞ヶ浦構成要素の一つである北浦に位置する釜谷モニタリングステーションで観測された2005年から2022年までの18年間の長期水質データを分析した.地球温暖化により北浦の水温は年間約0.04度と有意に上昇する.成層状態の強度は,表面風応力と表面流入浮力フラックスの比によって説明される.つまり,風速と日射量が混合条件に関与する.各夏季を時間平均した気温によって暑夏と冷夏に分けた.貧酸素現象は暑夏に頻繁に発生する傾向があリ,最も暑い2018年7月の低層では42%の期間で貧酸素水塊が発生していた.一方,最も涼しい 2007 年 7 月では,底層での貧酸素現象は観測されなかった.日中の成層強度は冷夏に比べ暑夏において有意に高い値であった.これらの結果は,地球温暖化が浅い湖水の混合状態に大きな影響を与えることを示唆している.