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[ACG43-P01] 黒潮・黒潮続流に強制された日本沿岸水位変動
★招待講演
キーワード:水位、黒潮続流、黒潮大蛇行
日本沿岸水位と黒潮および黒潮続流変動との関係を海洋再解析データを用いて調べた。日本沿岸水位のEOF解析から、第1モードとして、全域の水位が同期して変動するモードが抽出され、このモードは、黒潮続流の変動と良く対応する。第2モードは、日本南岸における東西ダイポール構造の水位偏差で特徴づけられる。第1モードと日本南岸の黒潮流軸の関係として、伊豆海嶺付近の流軸位置の南北変動と良い相関があり、伊豆海嶺付近の黒潮が北上(南下)すると、第1モードが正(負)フェーズとなる。また、コンポジット解析から、伊豆海嶺付近の黒潮流軸位置の変動が沿岸捕捉波を通じて日本沿岸の広域の水位変化をもたらすことが分かった。伊豆海嶺上の黒潮流軸位置とその下流の黒潮続流の流路形態(安定/不安定流路)には密接な関係があることが先行研究から知られており、黒潮続流の変動に伴い伊豆海嶺上の黒潮流軸の位置が変化し、沿岸捕捉波を通じて、日本沿岸水位の第1モード変動をもたらしていることが分かった。一方、第2モードに伴う日本南岸の東西ダイポール構造は、黒潮大蛇行と密接に関係している。第2モードの正偏差時には、紀伊半島よりも東(西)側の沿岸水位が正(負)偏差となる。東の正偏差は、大蛇行時に東海沖に形成される西向き反流により作られ、西の負偏差は、紀伊半島沖の黒潮が大蛇行時に大きく離岸することによりもたらされる。