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[ACG47-P05] 未来の学術振興構想への提案「有人・無人航空機による気候・地球システム科学研究の推進」について
キーワード:航空機観測、地球システム科学、気候変動
国内の航空機観測に関係するコミュニティを代表して、日本気象学会、日本大気化学会、および日本航空宇宙学会が共同で、日本学術会議の未来の学術振興構想に提案した「有人・無人航空機による気候・地球システム科学研究の推進」について報告する。以下では、学術振興の「ビジョン」および学術研究構想の概要について述べる。
学術振興の「ビジョン」の概要
急速に進行する気候変化の現状把握と予測高度化のためには、その不確定要因である大気中の微量物質濃度などのミクロ量観測と素過程解明が喫緊の課題である。本構想では地球観測専用の航空機を導入し、わが国が有する高い観測技術を発展させると共に、地上・衛星観測とモデル研究との統合的研究により、大気・海洋・陸域植生などの分野を横断した次世代の気候・地球システム研究を推進し、自然科学の深化と社会的使命を果たす。
学術研究構想の概要
本学術研究構想では、わが国初となる地球観測専用の共同利用のための航空機を整備し、大気、海洋、植生、雪氷、固体地球等の地球科学分野を横断した、気候・地球システム科学研究を飛躍的に推進する。
地球環境変化が急速に進行している中、高精度な将来気候予測を実現し、パリ協定やSDGsなどの目標を達成するためには、地球システムの理解の深化が不可欠である。例えば、大気科学分野では温室効果気体の濃度やエアロゾル・雲粒径・化学組成などのミクロ量を広域かつ立体的に観測することが地球環境変化の理解と予測の鍵となる。雪氷分野では気候変動の影響を最も受けやすい極域での詳細かつ広域観測が地球環境変化の理解と予測の鍵となる。これらのミクロ量の観測は衛星では不可能であり、航空機観測でのみ可能である。
本構想では、航空機を地球科学共通の観測基盤と位置づけ、研究の長期継続により、気候・地球システムの理解を通じた地球科学のパラダイムシフトを目指す。また、航空機観測のもつ機動性を台風発生時の早期観測や災害発生時の状況把握等に活用し、防災減災に資する。
世界トップレベルにある日本の航空機観測技術を活かし、継続的・計画的な観測研究・機器開発・人材育成が可能な共同利用運用体制の専用航空機により、革新的な成果を実現する。そのために、航空機を幅広い分野の研究者が共同利用できる運用体制を確立する。観測航空機は民間企業が保有するジェット機をレンタルすることにより効率化を図る。また、プロペラ機や無人航空機を併用し効果を最大化する。同時に、技術進歩の著しい無人航空機の地球観測利用を推進し、新たな航空機観測システムの構築を目指す。予算は10年間で166億円。運用主体は名古屋大学宇宙地球環境研究所が務め、全国の地球科学諸分野の研究者からなる研究推進委員会を設置して、公募による研究計画の選考・採択による運航計画立案と運航支援等を実施する。
学術振興の「ビジョン」の概要
急速に進行する気候変化の現状把握と予測高度化のためには、その不確定要因である大気中の微量物質濃度などのミクロ量観測と素過程解明が喫緊の課題である。本構想では地球観測専用の航空機を導入し、わが国が有する高い観測技術を発展させると共に、地上・衛星観測とモデル研究との統合的研究により、大気・海洋・陸域植生などの分野を横断した次世代の気候・地球システム研究を推進し、自然科学の深化と社会的使命を果たす。
学術研究構想の概要
本学術研究構想では、わが国初となる地球観測専用の共同利用のための航空機を整備し、大気、海洋、植生、雪氷、固体地球等の地球科学分野を横断した、気候・地球システム科学研究を飛躍的に推進する。
地球環境変化が急速に進行している中、高精度な将来気候予測を実現し、パリ協定やSDGsなどの目標を達成するためには、地球システムの理解の深化が不可欠である。例えば、大気科学分野では温室効果気体の濃度やエアロゾル・雲粒径・化学組成などのミクロ量を広域かつ立体的に観測することが地球環境変化の理解と予測の鍵となる。雪氷分野では気候変動の影響を最も受けやすい極域での詳細かつ広域観測が地球環境変化の理解と予測の鍵となる。これらのミクロ量の観測は衛星では不可能であり、航空機観測でのみ可能である。
本構想では、航空機を地球科学共通の観測基盤と位置づけ、研究の長期継続により、気候・地球システムの理解を通じた地球科学のパラダイムシフトを目指す。また、航空機観測のもつ機動性を台風発生時の早期観測や災害発生時の状況把握等に活用し、防災減災に資する。
世界トップレベルにある日本の航空機観測技術を活かし、継続的・計画的な観測研究・機器開発・人材育成が可能な共同利用運用体制の専用航空機により、革新的な成果を実現する。そのために、航空機を幅広い分野の研究者が共同利用できる運用体制を確立する。観測航空機は民間企業が保有するジェット機をレンタルすることにより効率化を図る。また、プロペラ機や無人航空機を併用し効果を最大化する。同時に、技術進歩の著しい無人航空機の地球観測利用を推進し、新たな航空機観測システムの構築を目指す。予算は10年間で166億円。運用主体は名古屋大学宇宙地球環境研究所が務め、全国の地球科学諸分野の研究者からなる研究推進委員会を設置して、公募による研究計画の選考・採択による運航計画立案と運航支援等を実施する。