日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-GE 地質環境・土壌環境

[A-GE28] Energy-Environment-Water Nexus and Sustainable Development

2023年5月25日(木) 09:00 〜 10:15 105 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:川本 健(埼玉大学大学院理工学研究科)、Yonghong Hao Hao(Tianjin Normal University)、Jet-Chau Wen(National Yunlin University of Science and Technology)、Wenke Wang(Changan University)、座長:川本 健(埼玉大学大学院理工学研究科)、Jet-Chau Wen(National Yunlin University of Science and Technology)

09:00 〜 09:15

[AGE28-01] 難透水性土壌汚染のバイオ浄化技術の開発 ~地質環境研究の貢献~

★招待講演

*駒井 武1、上沢 進2、張 銘3 (1.東北大学大学院 環境科学研究所、2.ケミカルグラウト、3.産業技術総合研究所)

キーワード:地質環境、土壌汚染、物質移動現象

微生物分解を利用したバイオレメディエーションは、低コストで環境に優しい浄化技術として、また持続可能な環境施策として重要である。しかし、難透水性地盤への適用は容易ではなく、効率的に薬剤を適用するためには、反応促進や水素などの物質移動の過程を考慮する必要があるが、その過程は十分に理解されていない。本研究では、実際の現場で使用できる方法として、難透水層の直上の透水層やウォータージェットで掘削したスリット面を利用した平面拡散、ボーリング孔を利用した中空円筒拡散、ボーリング孔底を利用した中空球拡散のそれぞれの基本性能を検討した。また、各拡散方法の基本性能についても検討した。その結果、難透水性の地層にウォータージェットで開削したスリット面を利用した平面拡散法が最も効率よく試薬を注入できることが推察された。
 このような持続可能な低コスト・低環境負荷のバイオ技術の基盤として、著者らは、地圏環境における水素や汚染物質などの物質の拡散特性、難透水性地層の透水特性などを評価し、バイオ技術とウォータージェット技術を組み合わせた新しい浄化技術を開発してきた。その中で、著者の一人である張銘博士の科学的な功績は極めて大きい。張銘博士に深く哀悼の意を表するとともに、同氏の業績や研究成果を披露することで今後の研究への貢献に感謝したい。