日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[E] オンラインポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-BG 地球生命科学・地圏生物圏相互作用

[B-BG01] 地球惑星科学 生命圏フロンティア

2023年5月23日(火) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (18) (オンラインポスター)

コンビーナ:鈴木 志野(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)、奥村 知世(高知大学海洋コア総合研究センター)、諸野 祐樹(海洋研究開発機構高知コア研究所)、伊左治 雄太(海洋研究開発機構)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/22 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[BBG01-P02] マンガン酸化物へのモリブデン吸着に伴う同位体分別の精密評価

*奥山 晃浩1、柏原 輝彦2福士 圭介3 (1.金沢大学大学院、2.国立研究開発法人 海洋研究開発機構、3.金沢大学環日本海域環境研究センター)

キーワード:バーネサイト、トドロカイト、δMnO2、マンガンクラスト、マンガン団塊

【はじめに】海水において最も豊富な遷移元素であるモリブデン(Mo)は、マンガン団塊や鉄マンガンクラスト中に存在するマンガン(Mn)酸化物への吸着によって除去される。この際、軽いMo同位体が優先的に吸着されて海水中のMo同位体比が重くなる。一方、還元的な環境では同位体分別を生じず沈殿する。そのため海洋堆積物中のMo同位体比の変動は古海洋全体の酸化還元の指標として盛んに用いられている。海洋環境には、低結晶性のものや層・トンネル構造を持つものなど、異なる構造もつMn酸化物が広く存在すること知られており、Mn酸化物の構造の違いがMoの吸着における同位体分別にどのような影響を与えるのかを理解することは重要である。しかし、Mn酸化物の構造解析は難しく、鉱物相の同定が十分に行われたMn酸化物についてMoの吸着実験および同位体測定が行われていない。
本研究では海洋に存在する代表的なMn酸化物を合成し、Moを吸着させて同位体測定を行うことで、Mn酸化物の構造の違いが同位体分別に与える影響を明らかにする。
【手法】低結晶性のバーナダイト(δMnO2)、層構造のバーネサイト、トンネル構造のトドロカイトを実験室内で合成した。X線回析(XRD)などの方法を用いて鉱物相の同定を行った。Mo吸着実験は窒素雰囲気下のグローブボックス内で行った。共通の水質条件でMo吸着実験を行い合成したMn酸化物の構造の影響を検討した。初期Mo濃度を変化させた条件で吸着実験を行い、固相と液相を分離して採取することで同位体測定用試料を作成した。