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[BCG07-11] イクチオリス生層序・ストロンチウム同位体層序・化学層序に基づく南北太平洋レアアース泥の堆積年代の推定
キーワード:遠洋性粘土、レアアース泥、イクチオリス生層序、ストロンチウム同位体層序、化学層序
現在,レアアースを高濃度で含有する海底堆積物「レアアース泥」が,南北太平洋の広範囲に分布していることが報告されている [1].レアアース泥は,将来のレアアース資源としてのみならず,過去の気候・海洋環境の記録媒体としても注目が集まっている [2].一般にレアアース泥の岩相は「遠洋性粘土」に分類されるが,この遠洋性粘土の年代決定は非常に難しいとされている.例えば,珪質・石灰質微化石を用いた生層序は,海底堆積物の堆積年代の特定に対し最も有効であるが,遠洋性粘土中にはそれらの微化石はほとんど出現しないため,適用が困難である [3].また,遠洋性粘土は見た目では均質な堆積物であるが,その中に削剥・無堆積が存在していることがあり [4],古地磁気層序による年代決定は,長くても数百万年程度の期間の遠洋性粘土に対しての報告例に限られている [5, 6].そのため,レアアース泥の形成メカニズムや記録されている環境記録を議論するためには,遠洋性粘土の正確な年代推定手法を確立することが必要不可欠である.
そこで,本研究ではイクチオリス層序,Sr同位体層序,全岩化学組成に基づく化学層序を組み合わせた年代推定手法を,北西太平洋および南太平洋の3地点の掘削コア試料 (Ocean Drilling Program Hole 777B, Integrated Ocean Discovery Program Holes U1366Cおよび U1370D) に対し適用した.これらのコア試料は,いずれも遠洋性粘土から成り,一部の層準では高品位なレアアース泥の堆積が確認されている.本発表では,上述の統合的な手法で得られた年代データに基づき,レアアース泥の堆積時期の検討を行った結果を報告する.
[1] Kato, Y. et al. (2011) Nature Geoscience, 4, 535–539. [2] Ohta, J. et al. (2020) Scientific Reports, 10, 9896. [3] Doyle, P. S. & Riedel, W. R. (1979) Micropaleontology, 25, 337–364. [4] Tanaka et al. (2020) Ore Geology Reviews, 119, 103392. [5] Asahara, Y. (1999) Earth and Planetary Science Letters, 171, 453–464. [6] Usui, Y. & Yamazaki, T. (2021). Earth, Planets and Space, 73, 2.
そこで,本研究ではイクチオリス層序,Sr同位体層序,全岩化学組成に基づく化学層序を組み合わせた年代推定手法を,北西太平洋および南太平洋の3地点の掘削コア試料 (Ocean Drilling Program Hole 777B, Integrated Ocean Discovery Program Holes U1366Cおよび U1370D) に対し適用した.これらのコア試料は,いずれも遠洋性粘土から成り,一部の層準では高品位なレアアース泥の堆積が確認されている.本発表では,上述の統合的な手法で得られた年代データに基づき,レアアース泥の堆積時期の検討を行った結果を報告する.
[1] Kato, Y. et al. (2011) Nature Geoscience, 4, 535–539. [2] Ohta, J. et al. (2020) Scientific Reports, 10, 9896. [3] Doyle, P. S. & Riedel, W. R. (1979) Micropaleontology, 25, 337–364. [4] Tanaka et al. (2020) Ore Geology Reviews, 119, 103392. [5] Asahara, Y. (1999) Earth and Planetary Science Letters, 171, 453–464. [6] Usui, Y. & Yamazaki, T. (2021). Earth, Planets and Space, 73, 2.