日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-PT 古生物学・古生態学

[B-PT03] バイオミネラリゼーションと古環境プロキシー

2023年5月26日(金) 15:30 〜 16:45 展示場特設会場 (3) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:豊福 高志(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、北里 洋(国立大学法人東京海洋大学)、Bijma Jelle(アルフレッドウェゲナー極域海洋研究所)、廣瀬 孝太郎(兵庫県立大学 自然・環境科学研究所)、座長:豊福 高志(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、廣瀬 孝太郎(兵庫県立大学 自然・環境科学研究所)、Bijma Jelle(アルフレッドウェゲナー極域海洋研究所)、北里 洋(国立大学法人東京海洋大学)


15:45 〜 16:00

[BPT03-07] 人為汚染影響下の中海における珪藻群集の時系列変化

*廣瀬 孝太郎1辻本 彰2、瀬戸 浩二3、入月 俊明4 (1.兵庫県立大学 自然・環境科学研究所、2.島根大学 教育学部、3.島根大学 エスチュアリー研究センター、4.島根大学 総合理工学部)

キーワード:汽水域、海底堆積物、人為的環境改変、珪藻群集、水圏生態系、中海

中海の湖底堆積物に記録された過去600年間の珪藻群集の時間変化から、人為的汚染が沿岸の一次生産者に及ぼす影響を明らかにした。
20世紀初頭には、CNSや各種重金属が急増した.この時期に,富栄養種である小型のThalassiosira属が増加し,その後,Neodelphineis pelagicaが増加した。 この急激な変化は、産業廃棄物や生活廃棄物の負荷と港湾建設による激しい停滞によって、水環境が急激に変化したことを示すものである。1960年代以降に過去に回帰する傾向を示す中海の堆積物プロキシは,近年における中海の環境回復を示唆している.この傾向は,1960年代以降に環境悪化が進行した東京湾や大阪湾のような大都市湾岸地域よりもはるかに早い時期に相当することから,今後,人為汚染の低減に応答した都市域の環境変化を予測する上で,有効な事例となるであろう.