日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[E] オンラインポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-PT 古生物学・古生態学

[B-PT03] バイオミネラリゼーションと古環境プロキシー

2023年5月25日(木) 13:45 〜 15:15 オンラインポスターZoom会場 (11) (オンラインポスター)

コンビーナ:豊福 高志(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、北里 洋(国立大学法人東京海洋大学)、Bijma Jelle(アルフレッドウェゲナー極域海洋研究所)、廣瀬 孝太郎(兵庫県立大学 自然・環境科学研究所)


現地ポスター発表開催日時 (2023/5/26 17:15-18:45)

13:45 〜 15:15

[BPT03-P05] 浮遊物に付着するフジツボの一種カルエボシの殻成長

*渡部 裕美1Nagai Yukiko1Sakai Saburo1、Kobayashi Genki2、Yamamori Luna3Tada Noriko1Nishikawa Haruka1Kuwatani Tatsu1、Uehara Haruka4、Yusa Yoichi4 (1.Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology、2.Ishinomaki Senshu University、3.Seto Marine Biological Station, Kyoto University、4.Nara Women's University)

カルエボシLepas anseriferaは日本周辺の外洋浮遊物に普遍的に付着するフジツボ類であり、石灰質の外骨格を付加成長させる特殊な甲殻類である。浮遊物に付着する生活様式は複数の進化系統に独立に生じていると考えられており、フジツボ類の多様性が最も高かったと考えられている中生代には流木のほかアンモナイトの殻に付着する種類も存在していた。現在は流木、流れ藻、軽石などの天然物やプラスチックをはじめとする人工物など、海洋表層を漂う様々な基盤に付着している。軽石やプラスチックは、近年人類の活動や海洋生態系に影響を与えることで注目されており、その挙動を明らかにすることは今後の保全等に繋がる。本発表では、フジツボ類の殻形成についての知見をまとめるとともに、今回実施したカルエボシの飼育実験に基づき、個体間及び個体内殻間で観察された成長量や成長率の変化、安定同位体比の変化について報告・議論する。