11:15 〜 11:30
[G02-03] 神戸市公立中学校教員の地震・津波に関する意識調査結果
-南海トラフ地震に備えて-
キーワード:南海トラフ地震、津波、中学校教員、防災教育、自然災害、神戸市
平成25年に発表された「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版)」によると、「過去 1,400 年間を見ると、南海トラフでは約 100〜200 年の間隔で蓄積されたひずみを解放する大地震が発生しており、近年では、昭和東南海地震(1944)、昭和南海地震(1946)がこれに当たる。昭和東南海地震及び昭和南海地震が起きてから 70 年近くが経過しており、南海トラフにおける次の大地震発生の可能性が高まってきている。」とされた。また、令和5年に発表された「地震調査委員会長期評価による地震発生確率値の更新について」によると、南海トラフ巨大地震が今後20年以内に発生する確率について、「60%程度」に引き上げられた。このように南海トラフ地震の発生確率が高いにもかかわらず、中学校においては、南海トラフ地震・津波の防災教育について指導する内容や機会は定まっておらず、学校によって異なる。
筆頭著者の勤務地(神戸市)は、兵庫県南部地震(1995)により、未曾有の被害を受けた。神戸市では、震災を忘れず、後世に語り継ぐために1月17日を「市民防災の日」とし、この日を中心にさまざまな関連行事を実施している。神戸市内の全小中学校では、この日に「震災メモリアル」という行事を行い、追悼行事・防災学習を行っており、中学生は「シェイクアウト」は完璧にできる。ところで、中学校教員には地震・津波についての知識や地震災害の体験の差から指導内容に差があるように思われる。これは、地震後28年が経ち、当時中学校で教壇に立っていた教員もほとんど退職し、当時のことを語れる教員は少なくなったこと、他地域出身の教員や若い教員が増加したことに原因があると考える。また、学習の場が各教科や総合的な学習などの多岐に及んでおり、地震・津波防災を展開するカリキュラムの編成が、各校の判断に任されていることにも原因があると考える。
そこで、神戸市立中学校18校(全中学校の22.0%)の全教員を対象として、「地震・津波および災害の教育に関する意識調査」を行った。調査の目的は、中学校教員が南海トラフ地震・津波やその教育についてどのように考えているかを分析することで、神戸市における今後の防災教育の推進に役立てることである。調査の方法は、「地震・津波についての知識」、南海トラフ地震・津波の「認識」「指導経験」「理科・社会(地理)の授業での扱い方」「指導者として知りたいこと」「専門家による支援の希望の有無」などを、選択肢法と自由記述法の質問紙調査で行った。
調査結果、有効回答を339名分得ることができた。回答者の担当教科の割合は、国語・数学・理科・社会・英語・保健体育はそれぞれ14%程度、音楽・美術・技術家庭はそれぞれ5%程度である。教員の年代分布は、20歳代24%、30歳代30%、40歳代18%、50歳代21%、60歳以上8%であった。自由記述であった「授業での扱い方」や「指導者として知りたいこと」などに対する回答の文章量は多く、南海トラフ地震・津波についての関心が高いことがうかがえる。発表では、本調査結果の一部を提示する。
筆頭著者の勤務地(神戸市)は、兵庫県南部地震(1995)により、未曾有の被害を受けた。神戸市では、震災を忘れず、後世に語り継ぐために1月17日を「市民防災の日」とし、この日を中心にさまざまな関連行事を実施している。神戸市内の全小中学校では、この日に「震災メモリアル」という行事を行い、追悼行事・防災学習を行っており、中学生は「シェイクアウト」は完璧にできる。ところで、中学校教員には地震・津波についての知識や地震災害の体験の差から指導内容に差があるように思われる。これは、地震後28年が経ち、当時中学校で教壇に立っていた教員もほとんど退職し、当時のことを語れる教員は少なくなったこと、他地域出身の教員や若い教員が増加したことに原因があると考える。また、学習の場が各教科や総合的な学習などの多岐に及んでおり、地震・津波防災を展開するカリキュラムの編成が、各校の判断に任されていることにも原因があると考える。
そこで、神戸市立中学校18校(全中学校の22.0%)の全教員を対象として、「地震・津波および災害の教育に関する意識調査」を行った。調査の目的は、中学校教員が南海トラフ地震・津波やその教育についてどのように考えているかを分析することで、神戸市における今後の防災教育の推進に役立てることである。調査の方法は、「地震・津波についての知識」、南海トラフ地震・津波の「認識」「指導経験」「理科・社会(地理)の授業での扱い方」「指導者として知りたいこと」「専門家による支援の希望の有無」などを、選択肢法と自由記述法の質問紙調査で行った。
調査結果、有効回答を339名分得ることができた。回答者の担当教科の割合は、国語・数学・理科・社会・英語・保健体育はそれぞれ14%程度、音楽・美術・技術家庭はそれぞれ5%程度である。教員の年代分布は、20歳代24%、30歳代30%、40歳代18%、50歳代21%、60歳以上8%であった。自由記述であった「授業での扱い方」や「指導者として知りたいこと」などに対する回答の文章量は多く、南海トラフ地震・津波についての関心が高いことがうかがえる。発表では、本調査結果の一部を提示する。