日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2023年5月21日(日) 13:45 〜 15:00 104 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、丹羽 淑博(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、座長:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、丹羽 淑博(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

13:45 〜 14:00

[G03-01] NDL提供ツールを利用した大学の地球惑星科学史講義における利用実践

*玉澤 春史1,2 (1.京都市立芸術大学、2.京都大学)

キーワード:デジタルアーカイブ

アーカイブデータを大学での実習や演習で利用する機会が増加してきており、講義の提供側が情報を取り入れ取捨選択することは必須となっている。地球惑星科学分野でも観測が難しい場面ではアーカイブデータを取得し解析することが行われている。同様の動きは人文社会科学分野でも行われており、ここ数年のデジタルアーカイブの整備や資料公開の追加措置、さらには簡易的か解析ツールの公開などによって教育への利用機会も増えている。国立国会図書館(NDL)のNDLラボでは同館が所蔵する資料のうち著作権がきれたものを中心にスキャンを行い、OCRをかけて公開を順次開始している。出版年代ごとの出現頻度を可視化・列挙する「NDL Ngram Viewer」や全文テキスト検索機能及び全文テキストダウンロード機能を提供する「NDL次世代ライブラリー」が順次公開され、資料そのものを見るほかにテキスト化されたものを利用して内容をある程度把握できることが格段に容易になった。報告者は自然科学史に関するオンデマンド形式の大学講義のなかで、前出の提供ツールを実際に受講者に使用してもらい、自然科学用語の初出時期を検索することで日本における科学用語の翻訳や定着などを確認・検討するという課題を実施した。その後の別の課題や期末レポートでの参照にも見受けられるなど、講義形式の一方的な情報伝達になりやすいところを、課題として扱うことにより受講者の主体的な対応を促している。特にテキストの利用は閲覧資料の理解につながり、その後の興味関心の持続により効果的であると推測される。