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[G03-P03] 1人1台端末授業でのデジタル地球儀「ダジック・アース」の活用
キーワード:デジタル地球儀、1人1台端末環境、立体表示、学校教育
小中高校の1人1台端末環境における授業でのデジタル地球儀ソフトウェア「ダジック・アース」の活用について紹介する。「ダジック・アース」は地球惑星科学研究者と学校・科学館などの教育関係者によって開発が進められているデジタル地球儀ソフトウェアであり、主にPCプロジェクターと球形スクリーンを用いた地球・惑星データの立体表示に用いられている。科学イベントでの利用や科学館での展示とともに学校での授業や文化祭などのイベントにおいてこの立体表示は用いられており、宇宙から地球全体を見下ろす視点でさまざまな地球惑星科学データを見ることができるため、直感的な理解と関心の喚起につながっている。そのコンテンツは150種類以上あり、地球惑星科学だけではなく、「持続可能な開発目標」(SDGs)に関連する社会科学的なデータのコンテンツも作成されている。これまでは、主に教員による球面スクリーンあるいは平面スクリーンでの提示の形で用いられてきたが、1人1台端末環境においては学習者それぞれが任意のコンテンツを選んで利用することが可能である。例えば、気象衛星による雲画像コンテンツは2000年以降の各日の画像がコンテンツ化されており、各自の誕生日などを選ぶことにより、それぞれの学習者が異なる日の雲の様子をそれぞれの端末で閲覧することができ、台風の有無、日本上空の雲の様子などそれぞれが違うデータから読み取れる特徴を相互に比較し合うことで、季節による雲の違いなどを学習することができる。また、SDGsに関するコンテンツではそれぞれに異なる開発指標を閲覧し、その特徴を比較し合うことで、それぞれの国が持つ課題を学習することができる。発表では、1人1台端末環境での学習に適したコンテンツを紹介するとともに、ダジック・アースのPCソフト版、アプリ版、ウェブブラウザ版などのソフトウェアや、立体地球儀や折り紙などの工作教材などについても紹介し、学習者1人1人が異なる教材を用いることで、全員が1つの正解を目指すという形ではなく、それぞれが考えるという形の授業での「ダジック・アース」の活用について議論を行う。