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[G03-P09] 高校生を対象とした地震に関する認識についての調査結果
キーワード:高校生、地震、認識、アンケート調査
川村(2015,2016)は,高校生を対象とした地震に関する認識のアンケート調査結果の分析において,東北地区と比較して四国地区の高校生の地震・津波防災対策に対する学習意欲が低かったことを明らかにした。また,近畿地区の生徒は関東地区と比べ,地震に関するテレビ番組利用率が低く,海溝型地震や液状化現象についての無認識率が高かったことも見出した。特に海溝型地震の認識の乏しさからは,南海地震による地震災害が切迫した状況と近畿地区の高校生は認識していない可能性が考えられた。南海地震による震災が大きいと推測されるのは,近畿地区の高校生は,その後,学校教育を通じて地震や津波について認識が改善されるようになったのだろうか。そこで本報告では,2022年に近畿地区と関東地区の高校生を対象に再度のアンケート調査を行った。本発表では,高校生の地震・津波に関する知識・理解,および地震・津波研究に対する意識の実態について,調査結果の一部を分析,考察する。
調査は 2022 年10月~12月に実施し,実施校の教員を通じて生徒に調査票を配布・回収した。アンケート調査で用意した項目は,回答者情報,学習歴,地震・防災知識の情報源,地震およびそれに伴う現象の理解,地震・津波・防災研究の評価と研究推進希望項目などである。
集計結果の概要は次のとおりである。
① 地震の知識を得るための情報源としてテレビ番組、教員の話、Webサイトほかがある。
② 地震やそれに伴う現象に関する理解として,海溝型地震発生にかかわるエネルギー蓄積の理由について,適切に理解している生徒の割合は約2割である。
③ 津波発生の仕組みの理解について,半数の生徒は海面現象という認識を持っている.正しい理解を持っている生徒は2割強である。
④ 液状化現象については,正しく理解している生徒の割合は10数%である。噴砂現象と誤認する生徒は約4分の1である。
⑤ 地震・津波研究推進を大半の生徒は希望している。その内容は,減災と予知である。
本調査にご協力いただいた各高等学校の校長先生をはじめ,調査の実務に携わってくださった先生方,調査にご協力いただいた高校生の皆様に深甚なる感謝の意を表する。
引用・参考文献
川村教一(2015):高校生が高校地学に求める地震の学習とは:全国のアンケート調査結果から.日本地震学会モノグラフ,4,102-105.
川村教一(2016):高校生の地震に関する認識の実態:2011 年東北地方太平洋沖地震を例としたアンケート調査から.秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学,71,77-86.
調査は 2022 年10月~12月に実施し,実施校の教員を通じて生徒に調査票を配布・回収した。アンケート調査で用意した項目は,回答者情報,学習歴,地震・防災知識の情報源,地震およびそれに伴う現象の理解,地震・津波・防災研究の評価と研究推進希望項目などである。
集計結果の概要は次のとおりである。
① 地震の知識を得るための情報源としてテレビ番組、教員の話、Webサイトほかがある。
② 地震やそれに伴う現象に関する理解として,海溝型地震発生にかかわるエネルギー蓄積の理由について,適切に理解している生徒の割合は約2割である。
③ 津波発生の仕組みの理解について,半数の生徒は海面現象という認識を持っている.正しい理解を持っている生徒は2割強である。
④ 液状化現象については,正しく理解している生徒の割合は10数%である。噴砂現象と誤認する生徒は約4分の1である。
⑤ 地震・津波研究推進を大半の生徒は希望している。その内容は,減災と予知である。
本調査にご協力いただいた各高等学校の校長先生をはじめ,調査の実務に携わってくださった先生方,調査にご協力いただいた高校生の皆様に深甚なる感謝の意を表する。
引用・参考文献
川村教一(2015):高校生が高校地学に求める地震の学習とは:全国のアンケート調査結果から.日本地震学会モノグラフ,4,102-105.
川村教一(2016):高校生の地震に関する認識の実態:2011 年東北地方太平洋沖地震を例としたアンケート調査から.秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学,71,77-86.