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[HDS05-04] 大谷崩と七面山崩れの地質構造の新しい知見
キーワード:斜面崩壊、スレート、トップリング、座屈
静岡県安倍川上流の大谷崩れは1707年の宝永地震で大崩壊し,その北方の七面山崩れは1854年安政東海地震と,それよりも前から崩壊していたと考えられている.Chigira(1992)は,七面山崩れは,スレートと砂岩がトップリングし,その最上部に正断層と凹地ができて,そこが崩れたと推定した.しかしながら,当時は危険なため崩壊地の中には入ることができず,遠望によって推定するにとどまっていた.大谷崩れも,崩壊地の中に入ることは危険なため,その地質構造の詳細は不明であった.我々は,両地域でドローン撮影を行い,地質構造を観察した.その結果,七面山崩れでは,複数の断層(おそらく正断層)を確認でき,また,著しい岩石破砕も確認できた.大谷崩れでは,崩壊地東側では,スレートのトップリングが,崩壊地西側ではスレートの座屈が生じており,両者が相まって巨大な崩壊が生じたと推定された.
Chigira, M. (1992). Long-term gravitational deformation of rocks by mass rock creep. Engineering Geology, 32, 157-184.
Chigira, M. (1992). Long-term gravitational deformation of rocks by mass rock creep. Engineering Geology, 32, 157-184.