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[HRE11-P04] 鹿児島県串木野鉱床における鉱物産状のSEM-EDSを用いた微視的観察:鉱化作用解明に向けた銀同位体比分析への指針
キーワード:串木野鉱床、浅熱水性鉱床、銀鉱物、顕微鏡観察、SEM-EDS
金や銀などの貴金属は、ハイテク産業やグリーン産業における重要性から、今後、世界的に需要が高まると予想されている。金や銀の主な供給源は熱水鉱床である。熱水鉱床の形成過程を解読することは、貴重な元素の濃縮を引き起こす地質学的要因を特定することにつながり、鉱物探査の重要な手がかりとなる。鉱床形成において、温度は元素の溶解・沈殿を支配する最も重要な因子の一つであることから、鉱床形成温度を推定するために様々な方法が用いられてきた[1, 2, 3]。これらの先行研究では脈石鉱物の鉱化温度は推定されているが、鉱脈中の対象金属そのものを用いた有用金属の鉱化温度はほとんど推定されていない。
近年、様々な銀鉱物の銀同位体比の理論計算に基づいて銀が析出する温度を推定する「銀同位体地温計」が提案された[4]。銀同位体地温計は、輝銀鉱と脆銀鉱の銀同位体分別に基づいている[4]。これにより、鉱石中の銀鉱物の鉱化温度を直接測定することが可能になると考えられる。しかし、この銀同位体地温計を実際の鉱石試料に適用した研究は過去にない。したがって、この方法の適用性を実験的に検証することが必要である。
そこで本研究では、日本最大級の金銀鉱床として知られ、多くの種類の銀鉱物を産出している串木野鉱床に着目した。銀同位体分析に適した鉱石試料の条件を制約するために、串木野鉱床の鉱石鉱物について、SEM-EDSと反射顕微鏡による詳細な観察を実施した。本発表では、その結果を説明するとともに、串木野鉱床の鉱石試料の銀同位体分析に最適な方法について提案する。
近年、様々な銀鉱物の銀同位体比の理論計算に基づいて銀が析出する温度を推定する「銀同位体地温計」が提案された[4]。銀同位体地温計は、輝銀鉱と脆銀鉱の銀同位体分別に基づいている[4]。これにより、鉱石中の銀鉱物の鉱化温度を直接測定することが可能になると考えられる。しかし、この銀同位体地温計を実際の鉱石試料に適用した研究は過去にない。したがって、この方法の適用性を実験的に検証することが必要である。
そこで本研究では、日本最大級の金銀鉱床として知られ、多くの種類の銀鉱物を産出している串木野鉱床に着目した。銀同位体分析に適した鉱石試料の条件を制約するために、串木野鉱床の鉱石鉱物について、SEM-EDSと反射顕微鏡による詳細な観察を実施した。本発表では、その結果を説明するとともに、串木野鉱床の鉱石試料の銀同位体分析に最適な方法について提案する。