13:45 〜 15:15
[HSC04-P04] 開発中CCSコスト試算ツールへの基本計算モジュールの搭載
キーワード:火力発電所、陸上パイプライン、船舶輸送、貯留、ユーザインターフェイス、DBMS
背景
化石燃料を再生可能エネルギー等に、完全に変換できるまでには、まだ相当な時間が必要である。そのため今やCCSは、パリ協定の目標ならびに2050カーボンニュートラルの達成に向けて、最も有効なオプションであると考えれる。CCS実施の判断やどのようなやり方で行うかは事業者に委ねられているが、長期的な視点に立って、経済的な負担の少ない選択肢を選ぶことが、息の長い取組みを成功させる上で重要である。
CCSに必要な費用の算出には、各工程における基本プラントの建設費や設備費、運用費、モニタリング費など、その実施形態に適した設備構成や構成要素に関する情報が必要である。これらを基に、年間の回収量や輸送距離、輸送方法、圧入方式、稼働年数ほか、割引率や為替レート、法定耐用年数、外部電源コスト等を考慮して計算を行う。想定可能なケースが複数存在する場合は、各ケースについて試算を行い比較検討する必要がある。
上記のような計算に精通し、かつCCSに関するエンジニアリングの知識がある方であれば、必要な表を参照しながら計算することも可能であろう。しかし、多数ケースの計算や、それらの結果を組合わせたい場合などは、専門家でも骨の折れる作業となる。
上記の観点から、二酸化炭素地中貯留技術研究組合では、専門家でなくてもCCSにおける種々のケースについて試算が行えるよう、コスト試算ツールを開発中である。また、本ツールでは標準的なCCSのコスト試算に加え、システム側の機能を充実させることにより、ハブ&クラスターや感度解析等にも対応できるようにし、専門家の期待にも添えるよう開発を進めている。
搭載が完了したモジュール
本ツールは、①ユーザインターフェイス、②データベース、③計算エンジンの3つの部分で構成されてり、これまでにツール全体のフレーム作りと計算エンジンへの基本モジュールの搭載を終えたところである。
CCSのコスト試算を行う上で、最も重要となる部分が計算エンジンであり、ここには工程毎の設備構成や費用、各種係数、計算手順等がコード化されて記されている(一部の情報はデータベース内に格納)。これによってユーザは、CCSに関する詳しい知識がなくても、適切な試算結果を得ることが可能になる。
計算エンジンには、回収、輸送、貯留の各工程に、複数のモジュールを有しており、現在のところ回収では石炭火力発電所とLNG火力発電所が、輸送では陸上パイプラインと船舶(陸-海-陸)が、また貯留では陸域から傾斜井で海底下に圧入するパターンが、それぞれモジュールとして格納されている。また、計算エンジンには、各工程での計算の他に、それらの実行を制御するシステムが存在する。
本発表では、現在のツール構成で実施可能な試算例について紹介する。
今後の開発計画
ツールの全体的なフレームができ上ったことから、今後は計算エンジンの各工程における種々のモジュールを構築してゆく。優先度の高いモジュールから開発を進める方針であるが、基本的にデータが公開されているか、もしくは利用可能な状態で存在していることが必要条件である。その他、計算エンジン内の各モジュールを制御するシステムについても、機能の充実を図る計画である。最終的には、多様なケースに対応可能なコスト試算ツールが完成する。
化石燃料を再生可能エネルギー等に、完全に変換できるまでには、まだ相当な時間が必要である。そのため今やCCSは、パリ協定の目標ならびに2050カーボンニュートラルの達成に向けて、最も有効なオプションであると考えれる。CCS実施の判断やどのようなやり方で行うかは事業者に委ねられているが、長期的な視点に立って、経済的な負担の少ない選択肢を選ぶことが、息の長い取組みを成功させる上で重要である。
CCSに必要な費用の算出には、各工程における基本プラントの建設費や設備費、運用費、モニタリング費など、その実施形態に適した設備構成や構成要素に関する情報が必要である。これらを基に、年間の回収量や輸送距離、輸送方法、圧入方式、稼働年数ほか、割引率や為替レート、法定耐用年数、外部電源コスト等を考慮して計算を行う。想定可能なケースが複数存在する場合は、各ケースについて試算を行い比較検討する必要がある。
上記のような計算に精通し、かつCCSに関するエンジニアリングの知識がある方であれば、必要な表を参照しながら計算することも可能であろう。しかし、多数ケースの計算や、それらの結果を組合わせたい場合などは、専門家でも骨の折れる作業となる。
上記の観点から、二酸化炭素地中貯留技術研究組合では、専門家でなくてもCCSにおける種々のケースについて試算が行えるよう、コスト試算ツールを開発中である。また、本ツールでは標準的なCCSのコスト試算に加え、システム側の機能を充実させることにより、ハブ&クラスターや感度解析等にも対応できるようにし、専門家の期待にも添えるよう開発を進めている。
搭載が完了したモジュール
本ツールは、①ユーザインターフェイス、②データベース、③計算エンジンの3つの部分で構成されてり、これまでにツール全体のフレーム作りと計算エンジンへの基本モジュールの搭載を終えたところである。
CCSのコスト試算を行う上で、最も重要となる部分が計算エンジンであり、ここには工程毎の設備構成や費用、各種係数、計算手順等がコード化されて記されている(一部の情報はデータベース内に格納)。これによってユーザは、CCSに関する詳しい知識がなくても、適切な試算結果を得ることが可能になる。
計算エンジンには、回収、輸送、貯留の各工程に、複数のモジュールを有しており、現在のところ回収では石炭火力発電所とLNG火力発電所が、輸送では陸上パイプラインと船舶(陸-海-陸)が、また貯留では陸域から傾斜井で海底下に圧入するパターンが、それぞれモジュールとして格納されている。また、計算エンジンには、各工程での計算の他に、それらの実行を制御するシステムが存在する。
本発表では、現在のツール構成で実施可能な試算例について紹介する。
今後の開発計画
ツールの全体的なフレームができ上ったことから、今後は計算エンジンの各工程における種々のモジュールを構築してゆく。優先度の高いモジュールから開発を進める方針であるが、基本的にデータが公開されているか、もしくは利用可能な状態で存在していることが必要条件である。その他、計算エンジン内の各モジュールを制御するシステムについても、機能の充実を図る計画である。最終的には、多様なケースに対応可能なコスト試算ツールが完成する。