日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT16] 地理情報システムと地図・空間表現

2023年5月24日(水) 15:30 〜 16:45 201A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)、座長:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)

16:15 〜 16:30

[HTT16-04] 駅周辺と都市におけるイメージの差異

*村元 至穏1田中 一成1 (1.大阪工業大学)


キーワード:駅、都市、イメージ

わが国における総人口は2006年をピークに減少に転じている。さらに65歳以上のお年寄りの人口の割合(高齢化率)が増加し、2050年には3人に1人がお年寄りになると推測され、日本は超高齢化社会を迎えようとしている。また、住宅や商業施設だけでなく、病院や市役所などは郊外に拡散し、シャッター街に見られるように中心市街地からは人が少なくなり賑わいがなくなりまちの希薄化が進行している。こういった状況が継続すると、まちの生活利便性の低下、生活空間としての魅力の喪失、公共サービスの低下、都市経営コストの増大、環境負荷の増大が生じると想定される。そこで、過度に車に頼らず誰もが移動しやすく、居住・公共公益施設・事業所・商業などといった様々な都市機能が集積した「歩いて暮らせるまちづくり」をおこなう必要がある。その際に、地域の歴史・文化といったその地域独自の個性を活かしながら、コンパクトなまちづくりによって進めていくことが重要であるとされている。一方、観光都市といわれながらも、観光地までの動線は優れているものをもちながら、まちの結節点(ノード)となる場所は廃れている都市がある。そこでは多くの来街者がノードを素通りし地域に対して何も恩恵をもたらしていない。これからの中心市街地となっていく可能性がある場所が駅といった公共交通に恵まれた地区であり、そこは公共機関が多く集まった中心部である。
そこで、われわれは都市を駅周辺に集約していく中でその地域が目指すべき方向性を決定していくためには地域のイメージや来街者の動きを知ることが重要であると考えた。そのため、本研究では地域におけるイメージを抽出することを目的とする。特に地域のイメージを知ることで、地域のイメージや都市が目指す方向性と調和したまちづくりの計画、運用を進めることに資する。
研究方法としては市内やその周辺にいくつかの神社や寺といった歴史的建築物などが存在する奈良県桜井市桜井駅周辺にてアンケート調査をおこなった。このアンケートでは様々な観点からみた地域におけるイメージを明らかにした。結果として、その地域に住んでいる人(地域住民)や地域に住んでいない人(来街者)における地域に対するイメージに差が見られる要素があることが明らかとなった。