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[MAG32-P01] 大気輸送シミュレーションを用いた核実験起源の放射性物質の放出源推定手法の検証
キーワード:CTBT、FLEXPART、放出源推定
私たちは、大気環境中の放射性物質の放出源を大気輸送モデルのフォワード・トラッキング計算により推定する手法についてこれまでに2回発表してきた。この手法では、着目する高濃度検出事象に対し、放出点となり得る地点および放出開始時間の候補を複数設定し、それらを初期条件とした拡散計算を実施する。これら拡散計算から得られた濃度分布と実測値を比較し、最も実測と近い計算結果を出した初期条件を「放出源」として抽出する。抽出するための統計手法は過去の研究でいくつか発表されているが、核実験検知の目的に対しては、CTBTOの国際監視網IMSの時空間分解能に適合した手法が求められる。本発表では、2013年に北朝鮮が実施した3回目の核実験を対象として、フォワード・トラッキング計算による放出点推定方法を検証した結果について報告する。