日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI28] 地球掘削科学

2023年5月25日(木) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (24) (オンラインポスター)

コンビーナ:針金 由美子(産業技術総合研究所)、黒田 潤一郎(東京大学大気海洋研究所 海洋底科学部門)、濱田 洋平(独立行政法人海洋研究開発機構 高知コア研究所)、藤原 治(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター)


現地ポスター発表開催日時 (2023/5/24 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[MGI28-P04] CT撮影画像とイオン溶液を利用した岩石試料の空隙率推定手法の検討

*秋柴 愛斗1谷川 亘1浦本 豪一郎2、上杉 健太朗3、竹内 晃久3安武 正展3諸野 祐樹1 (1.海洋研究開発機構高知コア研究所、2.高知大学、3.高輝度光科学研究センター)

キーワード:空隙、X線CT

空隙は岩石や堆積物において水や微生物、石油、ガスなどで構成されている。空隙の三次元構造は物理学的、化学的及び生物学的プロセスに深く関わっており、地層中の物質輸送や微生物学的なプロセスを明らかにする上で重要である。
岩石試料のCT撮影により、空隙の三次元構造を観察することができる。この方法は前処理をほとんど必要としない。しかし、空隙と鉱物間のコントラストが低いため、CT画像から間隙を抽出することは難しい。
空隙を選択的に可視化するために、空隙にイオン液体を浸透させ、鉱物と空隙のコントラストを高くする方法を開発した。この方法は一定濃度のイオン溶液を岩石試料に浸透させるため、CT画像上で空隙は一定の明るさを示す。画像のコントラストと明るさを均一化することで、しきい値の推定もできる。実測の空隙率と一致するようにしきい値を設定すると、しきい値と画像の平均的な輝度の間に比例関係が見られた。この比例関係からしきい値を計算することで、空隙の抽出と空隙率の推定を同時に行うことに成功した。本発表ではイオン溶液を導入したサンプルのCT画像の処理方法を紹介し、抽出した空隙範囲と推定した空隙率の精度について検討する。