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[MGI29-P04] トポロジカルデータ解析による岩石流路構造の新たな記述子の提案
キーワード:八木山
岩石内のき裂面は凹凸を有し、き裂同士が接触したり、離れたりすることで、不均質な開口幅分布を有し、この不均質な開口幅に起因して、優先流路が形成されている。流動特性に影響を与えるのは、岩石構造の中でも流入口から流出口までのつながった優先流路の構造のみであり、そのため、つながりを表す連結性の情報を抽出することができれば、膨大な構造のデータを流動特性評価に必要な情報に縮約できると期待できる。連結性を評価する手法として、トポロジカルデータ解析が着目されている。先行研究では、トポロジカルデータ解析をき裂のネットワーク構造の画像に対して適用することで、優先流路の重要な構造を抽出し、浸透率が推定できることを示した。本研究では、不均質な開口幅分布を有する単一き裂の構造情報から優先流路を抽出し、浸透率を推定することを目的とする。単一の割れ目を有する岩石サンプル(8.2 mm x 116.6 mm x 392.4 mm)の画像からトポロジカルデータ解析によって流路構造を抽出し、浸透率を推定した。推定した浸透率は、実験結果と整合的な値を示した。本手法により、新たな岩石流路構造を記述することで、岩石構造の次元縮約ができる可能性がある。