日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI29] データ駆動地球惑星科学

2023年5月22日(月) 09:00 〜 10:30 オンラインポスターZoom会場 (3) (オンラインポスター)

コンビーナ:桑谷 立(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、長尾 大道(東京大学地震研究所)、上木 賢太(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、伊藤 伸一(東京大学)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

09:00 〜 10:30

[MGI29-P04] トポロジカルデータ解析による岩石流路構造の新たな記述子の提案

*蓮見 登冴1、後藤 啓一朗1、Marco Fuchs2、Philipp Blum2鈴木 杏奈1 (1.国立大学法人東北大学、2.Karlsruhe Institute of Technology)

キーワード:八木山

岩石内のき裂面は凹凸を有し、き裂同士が接触したり、離れたりすることで、不均質な開口幅分布を有し、この不均質な開口幅に起因して、優先流路が形成されている。流動特性に影響を与えるのは、岩石構造の中でも流入口から流出口までのつながった優先流路の構造のみであり、そのため、つながりを表す連結性の情報を抽出することができれば、膨大な構造のデータを流動特性評価に必要な情報に縮約できると期待できる。連結性を評価する手法として、トポロジカルデータ解析が着目されている。先行研究では、トポロジカルデータ解析をき裂のネットワーク構造の画像に対して適用することで、優先流路の重要な構造を抽出し、浸透率が推定できることを示した。本研究では、不均質な開口幅分布を有する単一き裂の構造情報から優先流路を抽出し、浸透率を推定することを目的とする。単一の割れ目を有する岩石サンプル(8.2 mm x 116.6 mm x 392.4 mm)の画像からトポロジカルデータ解析によって流路構造を抽出し、浸透率を推定した。推定した浸透率は、実験結果と整合的な値を示した。本手法により、新たな岩石流路構造を記述することで、岩石構造の次元縮約ができる可能性がある。