10:45 〜 12:15
[MGI30-P04] 動径方向に構造を持つ原始惑星系円盤におけるペブル集積を考慮した惑星系形成N体シミュレーション
キーワード:惑星形成、ペブル降着、N体シミュレーション
本公演では、我々が行なった惑星形成N体シミュレーションの結果を示し、動径方向に構造を持つ原始惑星系円盤(PPD)内でも太陽系のような順で惑星系が形成される可能性について議論する。
従来の惑星形成標準モデルでは、PPDは軸対象で動径方向に滑らかな構造を持つと考えられてきた。しかし、近年の電波観測により、多くのPPDでリング構造やダスト放射の非軸対称性が観測されている。また、1990年代にはPPD内で磁気回転不安定性(MRI)と呼ばれる磁場の不安定性により生じる磁気的な乱流によって、降着が駆動されることが理論的に見出された。しかし、近年MRIに起因する乱流がPPDの特定の領域では起きない、あるいは抑制されることが指摘されている。この領域は、層流的な構造を持ちデッドゾーンと呼ばれる。このデッドゾーンと乱流領域の境界では、圧力バンプによってダストの集積が起こることで、効率的に惑星が形成されることが期待されている。以上より、従来の理論で考えられていたよりもPPDは複雑であることが観測・理論両側面からわかってきた。そこで、本研究では動径方向に不連続構造を持つ円盤内で惑星形成N体シミュレーションを行い、不連続境界への継続的なペブル供給が惑星形成過程に及ぼす影響を調べた。
本研究では、初めにN体シミュレーションの初期条件を求めるために定常一次元円盤内でのダスト成長を数値的に求めた。ダストは臨界質量に達するとガス抵抗を受け、円盤中心方向へと降着を始める。次に、我々はこの降着するダストを超粒子で再現し、惑星形成N体シミュレーションを行なった。このダストの降着は地球型惑星形成領域内の不連続境界(〜0.6AU)へ到達すると終わり、その境界で惑星形成が活発的に進行することが我々のシミュレーションによって示された。
本研究では、動径方向に不連続構造を持つ円盤内でペブル降着を考慮したN体計算を行った。その結果、地球型惑星形成領域内に存在する不連続境界で微惑星は効率的に成長し、〜104年で地球質量に到達した。また、我々のモデルでは原始惑星の巨大衝突が普遍的に起こることがわかった。さらに、不連続境界近傍では、惑星サイズの天体が一定の距離間隔で複数個形成されることもわかった。これらの結果から、動径方向に構造を持つ原始惑星系円盤(PPD)内でも太陽系のような順で惑星系が形成される可能性が見出された。
従来の惑星形成標準モデルでは、PPDは軸対象で動径方向に滑らかな構造を持つと考えられてきた。しかし、近年の電波観測により、多くのPPDでリング構造やダスト放射の非軸対称性が観測されている。また、1990年代にはPPD内で磁気回転不安定性(MRI)と呼ばれる磁場の不安定性により生じる磁気的な乱流によって、降着が駆動されることが理論的に見出された。しかし、近年MRIに起因する乱流がPPDの特定の領域では起きない、あるいは抑制されることが指摘されている。この領域は、層流的な構造を持ちデッドゾーンと呼ばれる。このデッドゾーンと乱流領域の境界では、圧力バンプによってダストの集積が起こることで、効率的に惑星が形成されることが期待されている。以上より、従来の理論で考えられていたよりもPPDは複雑であることが観測・理論両側面からわかってきた。そこで、本研究では動径方向に不連続構造を持つ円盤内で惑星形成N体シミュレーションを行い、不連続境界への継続的なペブル供給が惑星形成過程に及ぼす影響を調べた。
本研究では、初めにN体シミュレーションの初期条件を求めるために定常一次元円盤内でのダスト成長を数値的に求めた。ダストは臨界質量に達するとガス抵抗を受け、円盤中心方向へと降着を始める。次に、我々はこの降着するダストを超粒子で再現し、惑星形成N体シミュレーションを行なった。このダストの降着は地球型惑星形成領域内の不連続境界(〜0.6AU)へ到達すると終わり、その境界で惑星形成が活発的に進行することが我々のシミュレーションによって示された。
本研究では、動径方向に不連続構造を持つ円盤内でペブル降着を考慮したN体計算を行った。その結果、地球型惑星形成領域内に存在する不連続境界で微惑星は効率的に成長し、〜104年で地球質量に到達した。また、我々のモデルでは原始惑星の巨大衝突が普遍的に起こることがわかった。さらに、不連続境界近傍では、惑星サイズの天体が一定の距離間隔で複数個形成されることもわかった。これらの結果から、動径方向に構造を持つ原始惑星系円盤(PPD)内でも太陽系のような順で惑星系が形成される可能性が見出された。