日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI31] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2023年5月26日(金) 13:45 〜 15:15 展示場特設会場 (2) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(愛媛大学データサイエンスセンター)、深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、座長:村田 健史(情報通信研究機構)、本田 理恵(愛媛大学データサイエンスセンター)

14:55 〜 15:10

[MGI31-05] PTZ操作可能な高所カメラから撮像されたデータに基づく超高解像度パノラマ画像生成処理技術

*村上 雄樹1村田 健史1、川鍋 友宏1 (1.国立研究開発法人情報通信研究機構)

キーワード:映像IoT、スティッチング、パノラマ画像、PTZカメラ

著者らはこれまでに映像IoTによる地域見守り技術開発を進めてきた。これは、アーバン領域やルーラル領域にPTZ(パン・チルト・ズーム)操作ができるフルHDまたは4Kの高解像度カメラ(通称「鳥の目カメラ」)を設置し、目視によるジョイスティック操作や画像処理等で災害を早期発見、通知するコンセプトである。
 鳥の目カメラは、山頂などの高所からパン・チルト・ズームを繰り返すことで都市空間全体をくまなく見守る。カメラを低ズーム倍率に設定すれば少ない枚数で地域全体を俯瞰できるが、低解像度画像は災害検知には適さない。高ズーム倍率に設定すると各(領域部分)画像から個々の領域の詳細な状況を取得できるが、都市域全体をスキャンすることで画像枚数は膨大になる。しかも部分画像が都市空間全域のどこに対応するかを判断することは難しく、本来の目的である俯瞰性が低下する。
 そこで本研究は、OpenCVの基本機能の一つであるスティッチングモジュールを用い、部分画像の集合から大きな一つの高精細マップ画像を作成する。スティッチングモジュールは、カメラを少しずつ動かして作成した連続画像(各画像は少しだけ重なっている)を接続してパノラマ画像化する技術である。一般には数枚程度の画像をスティッチングするのに用いられるが、本研究では数十枚〜数百枚のPTZスキャン画像のスティッチングを試みる。