日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI31] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2023年5月25日(木) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (26) (オンラインポスター)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(愛媛大学データサイエンスセンター)、深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/26 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[MGI31-P04] WebGLを用いた地質地盤情報のボクセルモデルビューアの開発

*野々垣 進1中澤 努1 (1.国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)

キーワード:ボクセル、WebGL、3次元モデル、都市域

産総研地質調査総合センター(GSJ)では,層序学研究や公共工事のために作成されたボーリングデータを利用して,深さ数十メートルを対象とした都市域の3次元地質図を作成し,その成果をわかりやすくWeb上で公開するプロジェクトを実施している(納谷ほか,2018;納谷ほか,2021;野々垣・中澤,2022;URL1).これまで3次元地質図は,複数の地層境界面を組み合わせたサーフェスモデルと呼ばれる3次元データとして提供されてきた.サーフェスモデルは地層の形状を詳細に表現するうえでは有効であるが,地層境界面間に属性情報を持たないため,地層内における岩相やN値などの物性の側方・鉛直変化の表現には適していない.サーフェスモデルに関するこの問題は,GSJが整備する都市の地質情報の利活用を促進するうえで大きな障害である.
 この課題を解決するために,現在GSJでは地層境界面間における地質地盤情報の分布を示すボクセルモデルを作成している.またWebGLを利用してウェブブラウザ上でボクセルモデルを可視化するビューアの開発を進めている.ボクセルモデルビューアでは,WebGLの制御に主要な3DCGライブラリのひとつであるthree.jsを用いている.本ビューアは,表示するボクセルモデルの切り替え,特定の岩相や物性値をもつセルの選択表示,3次元表示における高さの倍率の調整,光源位置や背景色の設定などを行う機能を持つ.表示するボクセルモデルには岩相,N値およびデータ密度を選択可能である.任意の測線に沿った鉛直断面図や任意の標高における水平断面図を表示することも可能であり,断面図の位置はスライドバーを利用してインタラクティブに決定できる.これらの機能は,都市部の地下浅部における地質構造を容易に理解するうえで有用である.
 本発表では,ビューアの概要について機能を中心に紹介する.

文献
納谷ほか(2018)都市域の地質地盤図「千葉県北部地域」(説明書).産総研地質調査総合センター,55p.
納谷ほか(2021)都市域の地質地盤図「東京都区部」(説明書).産総研地質調査総合センター,82p.
野々垣・中澤(2022)WebGLを用いた3次元地質モデルビューアの開発.日本地球惑星科学連合2022年大会要旨.
URL1:ウェブサイト“都市域の地質地盤図”,https://gbank.gsj.jp/urbangeol/