09:00 〜 09:15
[MIS04-01] 上田誠也先生の短期・直前地震予知研究への思い ーギリシャのVAN法との出会いー
★招待講演
キーワード:上田誠也、EMSEV、VAN
IUGG-EMSEVの初代委員長をお務めになられた上田誠也先生が2023年1月19日、93歳で他界された。上田先生はプレート・テクトニクスの創成期から本分野で活躍され、特にプレート運動の原動力の大部分が Slab Pull の力である事を証明した論文は、その代表的な成果の一つである(Forsyth and Uyeda, 1975)。さらに Conparative subductorogyという学説を提唱し、巨大地震が発生しやすい海溝とそうでない海溝が存在する事に対する一定の証明を与えた(Uyeda, 1982)。
上田先生は東京大学地震研究所の教授を長年務めていたが、晩年、ギリシャのVAN地震予知法と出会う事となった。当時、上田教授はTectonopnysics紙の編集長を務めていたが、そこに2年間 pendingとなっているVANグループの論文が存在する事に気がついた。ちなみにpendingの理由は「結果が良すぎる」というものであった。
そこで上田先生は実際にギリシャを訪問し、第一著者のVarotsos教授と議論を重ね、この論文の採択を決定した。この論文がVAN法の初の論文となった。講演では上田先生の本分野に対する功績について述べるとともに、なぜ短期・直前予知こそ本命と考えるようになったか等について紹介したい。
引用文献
Forsyth, D. and S. Uyeda, On the Relative Importance of the Driving Forces of Plate Motion, Geophysical Journal International, Volume 43, Issue 1, October 1975, Pages 163-200, https://doi.org/10.1111/j.1365-246X.1975.tb00631.x.
Uyeda, S., Subduction zones: An introduction to comparative subductology, Tectonophysics 81 133-159, 1982.
Varotsos, P. and K. Alexopoulos, Physical properties of the variations of the electric field of the earth preceding earthquakes, I, Tectonophysics, 110, 73-98, 1984.
上田先生は東京大学地震研究所の教授を長年務めていたが、晩年、ギリシャのVAN地震予知法と出会う事となった。当時、上田教授はTectonopnysics紙の編集長を務めていたが、そこに2年間 pendingとなっているVANグループの論文が存在する事に気がついた。ちなみにpendingの理由は「結果が良すぎる」というものであった。
そこで上田先生は実際にギリシャを訪問し、第一著者のVarotsos教授と議論を重ね、この論文の採択を決定した。この論文がVAN法の初の論文となった。講演では上田先生の本分野に対する功績について述べるとともに、なぜ短期・直前予知こそ本命と考えるようになったか等について紹介したい。
引用文献
Forsyth, D. and S. Uyeda, On the Relative Importance of the Driving Forces of Plate Motion, Geophysical Journal International, Volume 43, Issue 1, October 1975, Pages 163-200, https://doi.org/10.1111/j.1365-246X.1975.tb00631.x.
Uyeda, S., Subduction zones: An introduction to comparative subductology, Tectonophysics 81 133-159, 1982.
Varotsos, P. and K. Alexopoulos, Physical properties of the variations of the electric field of the earth preceding earthquakes, I, Tectonophysics, 110, 73-98, 1984.