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[MIS07-P03] 地すべりにおける粉体系のダイナミクスと凝集エネルギーの効果
キーワード:粉体、地すべり、凝集力
地すべりにおいて、岩塊の初期高さHとその流出距離Lの比(有効摩擦係数)H/Lが岩塊と母岩との摩擦係数μよりも小さくなる、見かけの摩擦減少と呼ばれる現象が起こることが知られている[1]。この現象の説明のため、過去には水による潤滑や音響流動化などの多くのメカニズムが提案されたが[2]、その解明には至っていない。そこで本研究では、岩塊が地すべり中に粉砕されながら運動をすることに注目し、離散要素法(DEM)を用いた数値シミュレーションを行った。その結果、岩塊が粉砕される挙動を自然に再現することができた。また、岩塊粒子間の凝集力を変化させ、有効摩擦係数との関係を調べたところ、凝集力が大きな値を取るときには有効摩擦係数はμに一致し、凝集力が小さいときに有効摩擦係数は小さな値を取るが、その中間の値でμより大きくなる、新たな挙動が見いだされた。これは、岩塊がすべり運動を継続したまま破壊を起こすことにより、破壊エネルギーが運動エネルギーの一部を消費するためと理解される。
参考文献
[1] Brandon C. Johnson, Charles S. Campbell , and H. Jay Melosh J, "The reduction of friction in long runout landslides as an emergent phenomenon" Res. Earth Surf., 121, 881–889, (2015).
[2]Collins, G. S., and Melosh, H. J, "Acoustic fluidization and the extraordinary mobility of sturzstroms" J. Geophys. Res., 108(B10), 2473,(2003).
参考文献
[1] Brandon C. Johnson, Charles S. Campbell , and H. Jay Melosh J, "The reduction of friction in long runout landslides as an emergent phenomenon" Res. Earth Surf., 121, 881–889, (2015).
[2]Collins, G. S., and Melosh, H. J, "Acoustic fluidization and the extraordinary mobility of sturzstroms" J. Geophys. Res., 108(B10), 2473,(2003).