09:30 〜 09:45
[MIS10-03] 定点観測カメラを用いた高山帯における雲動態の自動観測と分類
キーワード:高山気象、機械学習、定点カメラ
高山生態系は気候変動に対して極めて脆弱であり、その観測は固有種が多い高山生態系の保全の上でも、また気候変動への生態系の応答機構を探る上でも重要である。本研究では高山帯に特徴的な局所的、短時間に出現する霧・雲を対象に、定点カメラを用いた自動観測手法の開発を行っている。雲、霧の時間的な動態は動物の行動パターンや植物の光合成に影響することが予想されるが、人の常駐が困難な高山帯では従来行われてきた目視による観測が難しく、研究事例が少ない。定点カメラを用いるメリットとしては、1.衛星画像と比べて悪天の影響を受けにくいこと、2.衛星画像と異なり、上空の雲と地上の霧を区別できること、3.安価に高頻度の観測を実現できること、が挙げられる。
本研究のこれまでの成果として、定点カメラ画像を一定の大きさのタイルに分割し、深層学習でそれぞれのタイルごとに霧、雲の有無を判別する手法が開発されている。この手法を毎時一枚程度の高頻度で撮影された高山帯の定点カメラ画像に適用することで、画像中のどの場所(山の稜線や山腹など)に雲、霧がかかっているかを把握し、雲の位置の時間的な変化(例:朝は晴れていたが昼頃稜線付近に雲が湧き、午後には稜線が雲に覆われる)を表す時系列データを得られる。本研究ではこの時系列データをクラスタリングし、高山帯における雲・霧の時系列パターンを自動探索した。これにより、例えば各パターンの発生頻度といった形で、雲、霧の時間動態の傾向やその変化を得られる。
開発手法を既存の定点カメラに適用することで、従来知見の乏しかった高山帯の雲、霧の動態について明らかにするとともに、その変化検出や気候変動との関係、生態系への影響の解明に寄与すると期待される。発表では、長野県蝶ヶ岳に設置された定点カメラ画像9年分を用いた解析結果について報告する。
本研究のこれまでの成果として、定点カメラ画像を一定の大きさのタイルに分割し、深層学習でそれぞれのタイルごとに霧、雲の有無を判別する手法が開発されている。この手法を毎時一枚程度の高頻度で撮影された高山帯の定点カメラ画像に適用することで、画像中のどの場所(山の稜線や山腹など)に雲、霧がかかっているかを把握し、雲の位置の時間的な変化(例:朝は晴れていたが昼頃稜線付近に雲が湧き、午後には稜線が雲に覆われる)を表す時系列データを得られる。本研究ではこの時系列データをクラスタリングし、高山帯における雲・霧の時系列パターンを自動探索した。これにより、例えば各パターンの発生頻度といった形で、雲、霧の時間動態の傾向やその変化を得られる。
開発手法を既存の定点カメラに適用することで、従来知見の乏しかった高山帯の雲、霧の動態について明らかにするとともに、その変化検出や気候変動との関係、生態系への影響の解明に寄与すると期待される。発表では、長野県蝶ヶ岳に設置された定点カメラ画像9年分を用いた解析結果について報告する。