日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS10] 山の科学

2023年5月26日(金) 15:30 〜 17:00 オンラインポスターZoom会場 (11) (オンラインポスター)

コンビーナ:苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、奈良間 千之(新潟大学理学部フィールド科学人材育成プログラム)、西村 基志(国立極地研究所 国際北極環境研究センター)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/26 17:15-18:45)

15:30 〜 17:00

[MIS10-P06] 飛驒山脈,杓子岳北斜面の土砂移動について

*高木 芹菜1奈良間 千之1 (1.新潟大学)

2013年8月23日に前線に伴う豪雨により杓子岳北斜面の岩盤斜面基部から大規模な土石流が発生した(城ヶ崎ほか,2014).杓子岳北斜面では,毎年のように岩屑生産があり,岩盤斜面の谷筋では多量の岩屑が堆積している.谷筋および谷筋基部の岩屑の堆積と侵食は繰り返し生じていることが考えられ,これは土石流の再発の可能性を示唆する.
しかしながら,岩盤斜面の削剥量や谷筋で一時的に堆積する岩屑量に関する土砂移動サイクルは不明である.そこで本研究では,杓子岳北斜面を対象に,航空レーザーデータや2015年から実施されているセスナ空撮画像を用いて,岩盤斜面の削剥量と堆積量の変化を調べた.
その結果,2011-2012年に基部に多量の岩屑が堆積していたことを確認した.また,2011-2012年を除く観測期間では,岩屑の堆積が確認できたが,その量は2011-2012年の岩屑量を大幅に下回っていた.以上のことから,2011-2012年に大規模な岩盤崩落が発生したことが推定され,2013年8月23日の土石流は,この大規模な崩落の堆積物が流下したものだと考えられる.