日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS11] ジオパーク

2023年5月22日(月) 09:00 〜 10:15 105 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:尾方 隆幸(琉球大学大学院理工学研究科)、大野 希一(鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会事務局)、道家 涼介(神奈川県温泉地学研究所)、青木 賢人(金沢大学地域創造学類)、座長:田所 敬一(名古屋大学地震火山研究センター)、大野 希一(鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会事務局)、尾方 隆幸(琉球大学大学院理工学研究科)

09:45 〜 10:00

[MIS11-09] カメラトラップによる苗場山麓ジオパークのジオサイトにおける来訪者数の推定

*植木 岳雪1 (1.帝京科学大学教育人間科学部)

キーワード:ジオパーク、ジオサイト、来訪者数、カメラトラップ

ジオパークの見どころ(ジオサイトと呼ばれる)は,既存の観光地や施設に加えて,新たに学術的な価値を見出して,独自に設定された地点が多い.しかし,観光地や施設の入れ込み客数はわかっても,それ以外のジオサイトでは来訪者数は全くわからない.ジオパークによる地域の経済・教育に対する効果を定量的に見積もるためには,ジオサイトの来訪者数を見積もることが必要である.

 新潟県津南町と長野県栄村にまたがる苗場山麓ジオパーク内の3つのジオサイトにおいて,野生動物の生息・行動調査に用いられるセンサーカメラを設置し,2023年6月11日から10月21日まで,のべ132日間,来訪者のカメラトラップ調査を行った.ジオサイト「中野の無斑晶ガラス質安山岩の露頭」は,内容が学術的で,交通の便が悪い山の中に位置するため,来訪者がいないのではないかと危惧されていた.しかし,センサーカメラで撮影された静止画を解析したところ,ジオに興味がある来訪者は20名いたことがわかった.現在,その他のジオサイトにおいて撮影された動画を解析中である.

 野生動物調査用のセンサーカメラは,人や乗り物を撮影することもできる.そして,ジオパークのジオサイトのように来訪者が少ないところでは,カメラトラップによって来訪者数を推定できることがわかった.