日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS13] 地質学のいま

2023年5月24日(水) 10:45 〜 12:00 展示場特設会場 (2) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:辻森 樹(東北大学)、小宮 剛(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)、山口 飛鳥(東京大学大気海洋研究所)、尾上 哲治(九州大学 大学院理学研究院 地球惑星科学部門)、座長:川村 紀子(海上保安大学校 基礎教育講座)、山口 飛鳥(東京大学大気海洋研究所)

11:45 〜 12:00

[MIS13-11] 法地質学: 最近の国内研究のレビュー

*川村 紀子1杉田 律子2 (1.海上保安大学校 基礎教育講座、2.科学警察研究所)

キーワード:法地質学、犯罪現場、法科学

法地質学は警察や司法における応用分野であり,地質学的な証拠品(岩石や鉱物)の分析, 埋没物の捜査,そして犯罪現場の地形図や地質図などを用いた調査の3つの分野から成る.法地質学は,地質学において培われた知識と技術が応用された興味深い分野であり,人類社会にとって重要な役割を果たしている地質学分野の1つと考えられる.日本では2009年に裁判員制度が始まり,法科学に接する機会と需要は年々高まっている.本発表では,最近の日本での法地質学の具体的な例を紹介する.土壌や海岸での物理探査をはじめとして,犯罪現場で採取された土壌,海岸堆積物や海底堆積物の分析方法を紹介する.証拠品として採取される岩石や鉱物は,時には少量であり,その後の捜査のために残しておかなければならないため,非破壊な分析方法が求められる.また事件現場の土壌や堆積物の由来を調べるために,基本的な物理学的・化学的な分析方法だけでなく,開発中の方法についても講演する.