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[MIS13-P10] 関東山地三波川帯長瀞地域に産する赤鉄片岩の起源と堆積場
キーワード:アンバー、赤鉄片岩、熱水性堆積物、三波川変成帯、全岩化学組成
日本列島付加体中には多数の層状Fe-Mn鉱床・Mn鉱床が胚胎しているが,これらの鉱床についての研究は秩父帯や四万十帯など弱変成の地質体に限られていた.低温高圧型変成帯の関東山地三波川帯に位置する長瀞地域には,主に塩基性片岩,石英片岩,砂質/泥質片岩が分布しているが,これらの岩石に伴って「赤鉄片岩」が分布している.この赤鉄片岩は,泥質で濃赤紫色の部分と珪質で赤茶色の部分が層をなしている.本研究では,この赤鉄片岩が,海底熱水性堆積物に起源を持つ層状Fe-Mn鉱石 (アンバー) が三波川変成作用を受けた岩石と推測し,それを検証するために全岩化学組成分析を行った.発表では,泥質・珪質それぞれの部分について,主要・微量元素組成の特徴を報告し,赤鉄片岩の起源と堆積場について考察する.