10:45 〜 11:00
[MIS15-25] 徳之島小原海岸のカスケードトゥファ酸素同位体比が示す短期・長期的周期変動
キーワード:カスケードトゥファ、酸素同位体比、太平洋十年規模振動
温帯や亜熱帯の石灰岩地帯で発達するトゥファは、陸域の気候記録媒体としての可能性を持つ。これまで扱われてきた河川環境で発達するトゥファは、週〜月単位の高解像度記録を持つものの、連続性には乏しく20〜30年程度の解析にとどまってきた(Matsuoka et al., 2001; Kawai et al., 2006; Hori et al., 2008)。Andrew(2006)はその問題を解決するべく、滝の下にマウンド状・石筍状に沈殿するカスケード型のトゥファを扱うことを提案した。
本研究では、鹿児島県徳之島小原海岸で発達するカスケードトゥファを対象として、過去200年間にわたる記録を得た。連続したトゥファ記録としては最長であり、酸素同位体比は約20年の周期的変動を特徴的に示した。同様の周期は奄美大島名瀬の降水量、太平洋十年規模振動(Pacific Decadal Oscillation; PDO)にも認められる。また、月単位の解像度を持つカスケードトゥファ試料からは短期的な降水イベントに対応する酸素同位体比変動が得られた。
これらから、徳之島近海の海水温変動に応答して降水現象が変化し、雨水の酸素同位体比に影響を及ぼし、それがトゥファの酸素同位体比に記録されていることが示唆された。
本研究では、鹿児島県徳之島小原海岸で発達するカスケードトゥファを対象として、過去200年間にわたる記録を得た。連続したトゥファ記録としては最長であり、酸素同位体比は約20年の周期的変動を特徴的に示した。同様の周期は奄美大島名瀬の降水量、太平洋十年規模振動(Pacific Decadal Oscillation; PDO)にも認められる。また、月単位の解像度を持つカスケードトゥファ試料からは短期的な降水イベントに対応する酸素同位体比変動が得られた。
これらから、徳之島近海の海水温変動に応答して降水現象が変化し、雨水の酸素同位体比に影響を及ぼし、それがトゥファの酸素同位体比に記録されていることが示唆された。