日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS19] 冷湧水・泥火山・熱水の生物地球科学

2023年5月21日(日) 10:45 〜 12:00 105 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:宮嶋 佑典(産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門 地圏微生物研究グループ)、井尻 暁(神戸大学)、土岐 知弘(琉球大学理学部)、渡部 裕美(海洋研究開発機構)、座長:宮嶋 佑典(産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門 地圏微生物研究グループ)、井尻 暁(神戸大学)

11:00 〜 11:15

[MIS19-02] メタンハイドレート賦存域周辺の深海生物を対象とした遺伝子解析による環境研究の紹介

★招待講演

*井口 亮1,2、喜瀬 浩輝3太田 雄貴3、池内 絵里1、西島 美由紀1石田 洋4、塚崎 あゆみ3鈴村 昌弘3鈴木 淳1,2 (1.産業技術総合研究所 地質情報研究部門、2.産業技術総合研究所 環境調和型産業技術研究ラボ、3.産業技術総合研究所 環境創生研究部門、4.海洋生物環境研究所)

キーワード:メタンハイドレート、環境影響評価、生物多様性、遺伝的連結性、生物影響

メタンハイドレートが賦存する日本海の深海域において、資源開発を想定した環境影響評価の検討がプロジェクトとして進められている。その過程においては、周辺海域の生物多様性及び遺伝的連結性のベースラインデータをどのように取得していくか、また、開発時に想定される環境変化による生物影響をどう評価していくかが議論されている。大量の遺伝子配列データ取得が可能なハイスループットシーケンサーは、環境DNA解析のような網羅的な生物多様性評価、ゲノムワイドの一塩基多型情報ベースの連結性解析、また、ある生物種がストレス暴露を受けた際の網羅的遺伝子発現解析など、様々な用途に使われている。本プロジェクトにおいても、ハイスループットシーケンサーを活用することで、多様性、連結性、ストレス応答まで視野に入れた環境研究の高度化を進めている。本講演では、環境サンプルを用いて、真核生物の多様性評価と環境要因との対応関係の把握、主要ベントスを対象とした、日本海広域における連結性解析、そして深海域に優占する深海性端脚類を対象としたストレス暴露実験と遺伝子発現解析の最新の成果について紹介し、今後の方向性について述べる。本研究は経済産業省のメタンハイドレート研究開発事業の一部として実施した。