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[MIS21-P06] 小型楯状火山の地形解析から迫る火星の中央エリシウム平原における火山活動史
キーワード:小型楯状火山、火星、溶岩流形態
火星の中央エリシウム平原(Central Elysium Planitia, 以下CEP)は、エリシウム山南部に位置する、東西1200kmにおよぶ広大な溶岩平原である。CEPでは、多量の低粘性溶岩が高い噴出率で噴出し、2億5千万年以上の期間火山活動を継続してきたと溶岩流地形解析およびクレーター年代学から推定されている。CEP表層の大部分はケルベロス地溝帯(Cerberus Fossae)から噴出した溶岩で形成されているが、小型楯状火山(low shield、以下LS)から噴出した溶岩によって形成された領域も存在する。従来議論されてきたケルベロス地溝帯からの溶岩流に加えLSから噴出した溶岩の形態から溶岩噴出率を議論することで、溶岩噴出率の時空間変化が明らかとなり、CEPの火山活動史をより詳しく知ることができる。そこで本研究では、CEPのLSの山体地形および溶岩流の形態を調べ、山体の形成年代と推定される溶岩噴出率の大小から、当該地域における火山活動史を検討した。
本研究では、CEPに分布するLSのうち、17個を対象に山体地形解析および溶岩流の形態分類を行った。とくに、溶岩噴出率の議論でよく用いられる形態の溶岩流であるチャネル型溶岩流(他形態の溶岩流と比較して高い噴出率によって形成される)に着目し、GISを用いてポリゴンマッピングを行い、各山体における面積を算出した。
チャネル型溶岩流の面積は、山体直径・山体面積が大きくなるにつれ指数関数的に増加する傾向が見られた。このことから、山体直径・山体面積が大きいLSでは、溶岩の噴出率が比較的高く、そのためにチャネル型溶岩流が多くを占めたと考えられる。
円形型火口を持つLSにおいて、チャネル型溶岩流の面積は、形成年代が新しくなるにつれ小さくなる傾向がある。このことから、円形型火口を持つLSの形成においては71.73Ma以降で溶岩噴出率が次第に減少したのではないかと推測される。
最も形成年代の古いLS2つを除くと、山体面積は形成年代が新しくなるほど小さくなる傾向が見られる。CEPのLSで形成年代と比高の関係を見てみると、顕著な傾向があるとは言えないが、形成年代が新しくなるにつれ比高が小さくなっている。このことから、95Ma以降では、溶岩噴出量が次第に低下したのではないかと考えられる。
本発表では、上記の結果・議論の詳細およびCEP同様LSが見られるタルシス地域との比較を行った結果を紹介する。
本研究では、CEPに分布するLSのうち、17個を対象に山体地形解析および溶岩流の形態分類を行った。とくに、溶岩噴出率の議論でよく用いられる形態の溶岩流であるチャネル型溶岩流(他形態の溶岩流と比較して高い噴出率によって形成される)に着目し、GISを用いてポリゴンマッピングを行い、各山体における面積を算出した。
チャネル型溶岩流の面積は、山体直径・山体面積が大きくなるにつれ指数関数的に増加する傾向が見られた。このことから、山体直径・山体面積が大きいLSでは、溶岩の噴出率が比較的高く、そのためにチャネル型溶岩流が多くを占めたと考えられる。
円形型火口を持つLSにおいて、チャネル型溶岩流の面積は、形成年代が新しくなるにつれ小さくなる傾向がある。このことから、円形型火口を持つLSの形成においては71.73Ma以降で溶岩噴出率が次第に減少したのではないかと推測される。
最も形成年代の古いLS2つを除くと、山体面積は形成年代が新しくなるほど小さくなる傾向が見られる。CEPのLSで形成年代と比高の関係を見てみると、顕著な傾向があるとは言えないが、形成年代が新しくなるにつれ比高が小さくなっている。このことから、95Ma以降では、溶岩噴出量が次第に低下したのではないかと考えられる。
本発表では、上記の結果・議論の詳細およびCEP同様LSが見られるタルシス地域との比較を行った結果を紹介する。