日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS24] 大気電気学:大気電気学分野での高エネルギー現象

2023年5月22日(月) 13:45 〜 15:15 オンラインポスターZoom会場 (7) (オンラインポスター)

コンビーナ:芳原 容英(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)、長門 研吉(高知工業高等専門学校)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

13:45 〜 15:15

[MIS24-P02] ELF帯磁場観測ネットワークによる落雷位置及び電気的特性の導出

*兜森 幸平1芳原 容英1,2菊池 博史2、大橋 拓彦3、白石 智規3 (1.電気通信大学大学院、2.電気通信大学宇宙・電磁環境研究センター、3.東京電力パワーグリッド)

大規模な落雷は, 太陽光発電や風力発電設備等に甚大な被害をもたらす. 落雷被害の監視や軽減のためには, 落雷の時空間分布, 電気的特性の導出が必要と考えられている. これまでに落雷被害の評価には落雷ピーク電流や落雷電荷モーメントが用いられてきた. ELF帯空電観測では, 遠隔地から落雷電荷モーメントを推定できるが, 落雷位置標定精度が低いため, 標定精度の高いLF帯空電観測を併用することで, 狭い範囲を対象に落雷の時空間分布, 電気的特性の導出が行われてきた. しかし, 落雷ピーク電流は小さいが, 電流の継続時間が長く, 総電荷量が大きい落雷はLF帯空電観測では捉えられないことが示唆されている. このような落雷を捉えるにはELF帯空電観測のみによる落雷検出と位置標定が必要である.
本論文では, 国内3観測点から構成される電通大ELF帯磁場観測ネットワークによりELF帯空電観測のみで落雷位置と電気的特性を初めて導出した. それぞれの観測点において, 到来方向推定の誤差補正を施し, 交会法によって落雷位置標定を行い, LF帯空電観測による標定位置と比較した. また, 落雷極性と落雷電荷モーメントを導出し, 標定位置及び電気的特性の精度評価を行った.