13:45 〜 15:15
[MIS24-P03] 2022年度冬季の金沢地域における雷ガンマ線の電子加速器の簡易的な高度測定の試み
キーワード:雷ガンマ線、冬季雷
日本海沿岸部では毎年11月から3月にかけて冬季雷雲が発達するが、その特徴の一つとして雷雲からMeVガンマ線が地上に降り注ぐことが知られている。雷ガンマ線には、雷放電と同時に瞬間的に放射する Terrestrial Gamma-ray Flash (TGF)と、雷雲そのものが数分にわたって放射する Gamma-ray glowがある。これらは雷雲中に生じる静電場にて電子が加速されることで生じる制動放射が起源と考えられているが、電子加速領域の場所や成立条件、その時間変動など、多くの謎が残されている。GROWTH実験では、2006年から冬季日本海沿岸部での観測に取り組んでおり、我々名大グループも2018年度から継続して金沢地域に観測装置を展開している。
2022年度の冬季観測では、11月末より金沢市内の2箇所の検出器小屋に装置を展開し観測を続けている。どちらにも大型のGOOSE (Gamma-ray Orientation Observing System with Electron-monitor)検出器を設置している。これは鉛コリメータ付きシンチレータ検出器と電子検出器から構成され、MeVガンマ線の指向性観測と電子加速域からのMeV電子の直接観測により、電子加速域の高度を測定することを目的とする。2020年度冬期のデータ解析結果を反映し(2022 大会大熊講演)、今年度は指向性を強化するために、鉛コリメータの厚さを2倍の 5 cmに増強した。また12月12日TGFの指向性観測を目指した2種類の新たな試作検出器も追加設置した(本大会安藤講演)。
これまでの4ヶ月の観測で、12月6日にTGFとGamma-ray glowを、12月18日に TGFとGamma-ray glowを、12月23日にTGFを2つ検出した。今年は特に12月に大きな降雪があったため、特にTGFの観測数は例年の数倍の高頻度である。本講演では主検出器である2台のGOOSEのイベント解析を中心に、観測の最新状況を報告する。
2022年度の冬季観測では、11月末より金沢市内の2箇所の検出器小屋に装置を展開し観測を続けている。どちらにも大型のGOOSE (Gamma-ray Orientation Observing System with Electron-monitor)検出器を設置している。これは鉛コリメータ付きシンチレータ検出器と電子検出器から構成され、MeVガンマ線の指向性観測と電子加速域からのMeV電子の直接観測により、電子加速域の高度を測定することを目的とする。2020年度冬期のデータ解析結果を反映し(2022 大会大熊講演)、今年度は指向性を強化するために、鉛コリメータの厚さを2倍の 5 cmに増強した。また12月12日TGFの指向性観測を目指した2種類の新たな試作検出器も追加設置した(本大会安藤講演)。
これまでの4ヶ月の観測で、12月6日にTGFとGamma-ray glowを、12月18日に TGFとGamma-ray glowを、12月23日にTGFを2つ検出した。今年は特に12月に大きな降雪があったため、特にTGFの観測数は例年の数倍の高頻度である。本講演では主検出器である2台のGOOSEのイベント解析を中心に、観測の最新状況を報告する。